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USJ再建の立役者 森岡毅氏の本からジャズ界隈の性格類型を考察する(2)


(1)3つの特性、Tの人、Cの人、Lの人
(2)ジャズ界隈における様々な現象を性格類型で考える
(3)ジャズコミュニティのあり方を考える

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その1の続きです。
T=thinking(思考)の人、C=Communication(交流)の人、L=Leadership(達成)の人と、三つのタイプに分類してみる。

そうすると、ジャズ界隈のいろいろな現象をスッキリと説明できるんじゃないか。

ジャズは極端なT偏重社会

いきなり結論ですが、数ある音楽ジャンルの中でも、ジャズはT要素が高いような気がする。特にアドリブを独習するタイプはTの人が多いと思う。

例えば、自然科学を研究するのにTの要素が必須であるのと同様にジャズのアドリブの習得もT要素を要求されます。
複雑なコード進行に矛盾しないアドリブフレーズを吹き、バップ・イディオムを理解し、それなりのオリジナリティとクリエイティビティを発揮するレベルに到達するには、どうしてもフレージングやスタイルの研究など、省察と試行錯誤が必要になる。
それにはTの要素が強みとなる。
結果としてアドリブに長けた人材にはTの人の比率が多くなる。

ジャズと学歴

その辺が関係あるかどうかはわからないが、ジャズと学歴には明らかに相関がある(因果関係まではいわない)。
山野ビッグバンドジャズコンテスト(YBBJJ)の上位校は音大を除けばずらっと高偏差値校が並んでいる。
また、特に社会人でジャズを続けているプレイヤーに高学歴や高学歴職種の比率が高い事実もある。

リアルワールドを見る限り、特にコンボとアドリブの世界については、Tの要素がかなり有利だと結論づけても良さそうだ。
(ただ、必須ではない。後述)

一方T偏重には弊害もある。
「アドリブ勢」と総称されるコンボプレイヤーは、群れず、単独行動が多い。逆にいえば「組織力」に弱い。
各個撃破されてしまうんだな。
他ジャンルからみて、ジャズ民(特にアドリブ勢)が陰キャ変人扱いされるのはT要素が強くC要素が乏しい「一匹狼」が多いからかもしれない。

確かにコンボジャズのコミュニティって変にギクシャクしていること多い。

地方都市のジャズコミュニティでは往々にして女性ボーカルがコミュニティの潤滑油的な役を果たしていたりして、結果としてキーパーソンになっていたりする事例はよくある。

これって、多分暗黙知の適材適所性なんだと思う。
こうした人たちは明らかにCの人(ボーカルの修練にはT要素はそれほど必要としない)で、陰キャジャズ界隈においてバラバラの集団を統合するコミュニケーション力をもっているからなんだと思う。

ビッグバンドとコンボの本質的な相違

また、ビッグバンド勢とコンボ勢との懸隔・断絶も、この理論で説明できそうだ。要するにコンボ勢はT優位で、ビッグバンドはC優位なのだ。

性格特性に差がありすぎる二つの集団。
その行動様式が異なり、相容れないのは仕方がないのかもしれない。
Cの人とLの人がいれば、ビッグバンドは維持できる。
そういうビッグバンドはよくある。
ただし、アドリブプレイヤーにはTの人がどうしても必要だったりするので、ビッグバンド集団は「仕方なく」コンボ勢と交流している、みたいな図式はよくある。

(反省)私はTの人に届く言葉しかもっていなかった

私はまがうことないT型人材。
自己分析ではT>L>>Cという感じだ。T 50% L35% C 15%くらいか。

ちなみに私は他の強み分析でも、例えばエニアグラムでもType 5の研究型、坪田の9タイプ診断も「研究者」タイプにカテゴライズされている。
思考力に偏った、T要素がかなり濃厚なタイプだ。

経営者でもあるので、Lの要素は自分の本性以上に後天的に伸ばしました。
一方Cは絶対的に苦手。
努力はしていますが、気軽に交流できるCのタイプの人が羨ましい。

私はアマチュアジャズ界隈で細々と活動してます。
その界隈で目にする様々な課題を言語化して書いているのがこのページなわけですけど、私はまぎれもないT偏重であって、僕の書くことはTの人にしか響かないのかなあと思った。Cの人やLの人には、もっと違った解決法があったりするような気がします。

まとめ

  • ジャズのアドリブを独習する場合Tの人が有利

  • 逆にジャズのコミュニティは他のジャンルよりもT偏重人材が多いため組織力が発揮できない(Cの人はこういう個の集まりを統合できる力がある)

  • ビッグバンドのコミュニティとコンボのコミュニティの距離感は、お互いの人格性向の違いによるのかもしれない



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