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はじめに

Web名「半熟ドクター」を使い22年になります(今までのBlogはこれ)

地方でジャズ・トロンボーンを続けています。固定のバンドはあまり力をいれておらず、地元や出張先でセッションに参加。本業は医師で、継承した中小病院およびケアミックス型の医療・介護グループの経営をしています。
おかげさまで仕事は順調です。いまのところ。

アドリブのHow To

少し前から地元(広島県福山)でアドリブワークショップを続けてます。が、地域的にもニーズが少ない(大学ジャズ研がなくジャズ的の成長意欲のある若者がそもそも少ない)ため去年からSNSも使っていました。

私がジャズを始めたころ(まだ20世紀の話!)はアドリブの方法論の情報はほとんどありませんでした(渡辺貞夫"ジャズ・スタディ"は、稀代の悪翻訳で…)CDを聴きトランスクライブ(当時は耳コピと言ってた)し、すばらしいミュージシャンの演奏にいかに近づくか試行錯誤していました。

現代は情報に溢れた時代です。Youtubeチャンネルにいくらでもアドリブのお手本・教則は落ちている。音源も拾い放題、トランスクライブもやり放題です。にも関わらず、アドリブを楽しむ人達はそれほど増えてはいません。アマチュア・トロンボーンに至っては相変わらず絶望的で、この状況は20年来かわっていません。

トロンボーンでアドリブをやる人は大変すくない。ま、無理もない。
まずトロンボーンって吹くのかなり難しいと思う。うん。知ってる。それにジャズでよくある細かいピロピロ…がトロンボーンに絶望的に向いてない。

そのためトロンボーンではすべてのスタンダード曲に対し「お手本」があるわけじゃないんですよね(サックスなら、どんな曲でも誰かやってます)。他の楽器のソロをトランスクライブしても難しくて演奏できない。トロンボーンのプロの演奏はまた超絶技巧すぎる。音高いフレーズ速すぎる。ほどよい「お手本」がない。だから「ひたすらトランスクライブしたらよろし」とも言えない。

(このあたりの話は以前別ブログで論じたこともあります。トランスクライブしやすいお手本についてはこちらを)

地方に住んでいるとジャズ的なものの衰退をひしひしと感じます。
中四国の大学ジャズ研については全体に元気がない状況が続いています。その川下に存在すると思われる社会人ビッグバンドについても、アンサンブルはともかくとして、アドリブソロに注力している人は乏しい。
口さがなく言えば、社会人ビッグバンドも大学のビッグバンドも、いわゆる「吹奏楽勢」のマンパワーに依存して命脈を保っているのが現実です。
問題は、音楽の方法論まで吹奏楽に浸食されてしまいジャズとしての強度が保てていないことでしょうか。

ジャズおじさんとしては状況を憂いています。
旧来的なレパートリーが時代に適合していないのもあるかもしれません。が、ジャズというかリードシートからサウンドを構築する(Leadsheet Method)コンセプトは今後も廃れるとは思いません。
都会のジャズ教室とか音大のジャズ科とか、ジャズに関する教育は昔に比べると発展しています。しかし田舎で「ジャズという音楽を一応触ってます」層にはほとんど影響しておらず、アンメットニーズが横たわっています。

やはり、その層の人たちが、アドリブいいかも?と思えるような、そして思った時にとっつきやすい状況を作らないと未来はない。
裾野を広げないと、未来はない。

とはいえ、もうええ歳になったおじさんがジャズ研なりブラスバンドにでむいて「指導」するっつーのも痛い話ですやん。そもそも僕には他ジャンルの人に説得力のあるキャリア的な裏打ちもない。
そういうのは誰かがやるでしょ。
私が得意なのは思考の言語化と例証です。「こういう風に考えてます」と、ダラダラとWebに書いてゆきます。
逆にいうと、読書の能力の高い層には伝えやすい。これが「大学ジャズ研勢」をターゲットにしている理由です。

アドリブは、間違えながら、学んでゆくもの。つまづきと成長を糧にして上達してゆくものですが、そういった場の一つになればいいかなあと思っています。

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