【Twitterまとめ】逃げられる時、逃げられない時
「そんな毒親からはさっさと逃げろ」
ってのは、全然簡単なことではないんですよ。毒が強ければ強いほど支配下にあって、外に出ることへの分離の恐怖と罪悪感を植え付けられまくっているし、何か疾患を持っていたら仕事をすることもできないって場合もある。他にもいろんな事情がある。例えばまだ未成年で、親権の問題で親元から離れられないって場合もある。児相に頼れるほど内容が派手でなく真綿で首を締めるような毒を浴びせられて今にも死にそうな場合でも逃げることは簡単ではない、むしろ無理。家出しても探し出されて連れ戻される。毒親にもいろんな種類が居て、外面だけでは教育熱心な良い親を演じていることは多い。家庭の中は地獄であっても。
自分も逃げたけど、簡単じゃなかった。
私ロスジェネど真ん中世代何で、あの強烈な就職氷河期に何社も落ち続けたながら、たまたま自分が超遠方に就職先見つかったから(ブラックだったけど)それでやっと実家から逃げられたんだけど。
運が良かったんだよ。かろうじて健康で、仕事して貯蓄もできたことも含めて。努力もしたけど運もある。
逃げたくても逃げられなかった時代、私は完璧に心を閉ざして家の中で黙秘っていうか沈黙して、一切話さないって方法で乗り切った。毎日毒親から「〇し」という、伏せないとここに書けないくらい前時代的な差別用語を沢山浴びせられた。私の実母は本当に口が汚くて、あらゆる差別用語が出てくる人間だった。「親に歯向かうお前は狂っている。精神病だから精神病院に連れていく。」と怒鳴られ続ける時期があった。黙って耐えていることが結論として一番マシだった。
色んなことを経験して今ここに居る。だから、誰かにどうしても何か伝えたくなっても「逃げろ」って気軽に直接には言えない。自分の経験を書いてみて『自分はこんな形でやってみたから、なんとか自分で逃げる方法を探してみて欲しいです』っていう祈りみたいなものをお伝えすることしか。話をよく聞いて、当事者の能力と環境を知ったうえで「これは逃げられるのに、心理的に支配されているために外に出られないんだな」って分かったときは、逃げなよとガンガン言うこともあるよ。でもそれも経験上、とても時間がかかる。年単位で。いくら話しても「デモデモダッテ」で耳を貸さない人が多い、みんな共依存みたいになってた。学習性無力感は、とても厄介。
毒親やDVや、そういう毒まき散らす人間からはさっさと逃げるのが確かに一番いいんだけど。そう出来ない場合もいっぱいある。毒を浴びてる状態で苦しい苦しいって言っている人も見てきた。
結局、本人がどうするか、どうしたいか、何を目指すか、しかない。頼れるのは自分しかいなくて、時間がかかっても這い上がって来るしかない。逃げる選択をするのなら逃げるために。心を閉ざして一線を引くなら強い心を。支配されない精神力を。何しろ大事なのは「自分の問題に自分で立ち向かえるかどうか」にかかってる。他人に頼って助け出して貰っても、毒を浴びて歪んだ部分を自分で気づいて補正していかなければ、なんだかんだそこで依存したりで関係がおかしくなることもある。人それぞれなんだよ。他人の話は参考にするだけ。答えは自分で見つけなくてはならない。誰も答えはくれない。人から貰えるのは気休めだけ。
殺伐としているけれど、そういう気分でないと外に飛び出すって出来るもんではなかったかなと、今思う。飛び出した後も色々ありましたから私は。
生まれたときから運が悪いのが毒親持ちですよ。
そんで大事なことは、運やチャンスはたまーに自分の力で掴み取ることは出来るってこと。与えられるものが全てではない。そこだけは、忘れないでくださいとは書いておく。
受動的であるか、能動的であるか。運はあるか無いか。「逃げる」って簡単じゃない。逃げられるなら、そうした方がいいんだけどね。でもそれで終わりではない。外の世界で生きていくのはそれなりにまた別の戦いが待っている。
私はカウンセリングの経験もある。いろんな方法の中で自分に合ってるものを見つけられた人は、やはり「運がいい」なんだと思う。専門家を頼っても好転せず、さ迷ってる人も沢山知っている。専門家を頼りたくても経済的な理由で叶わない人も。同居の家族に妨害されて医療機関に行けない人も居る。皆さんいろんな状況のなかで、何とか生き延びるための何かを毎日探して耐えているのだと思います。「他人が好転したことと同じことをしても良くならない自分を責める」という方も沢山いて、善意のアドバイスのはずがそれを目にする人にとってはプレッシャーになる可能性もある、という側面を、少し表現してみたかったのが一連のツイート。
○すれば解毒できる!みたいな他者のエピソードは、正直その状況に恵まれてたまたま相性がよかったんだな、と感じて自分を責めないで欲しい。環境やタイミングのせいで何も出来ない状況に埋もれている絶望感も過去に自分は経験したので、そんな方が何か生きる方法をその中でも模索していけたらいいなと、願うというか、なんというか。
うまく言えないけど、毒にあてられる苦痛を知るものとしてはみんなそれぞれに可能な方法で少しでも生き延びてチャンスを掴んで前に進もう、って気持ちで書いた。
『呼吸するだけで精一杯なのです』っていう人もいるだろう。その時は、呼吸をすることに集中して、生き延びて欲しい。今出来ることを精一杯やることが、薄皮のような経験値と自信になって積み重なって厚い層になっていく。『この状況なのに今日も呼吸を止めなかった、凄い。』それがまず第一歩。
運とタイミングと気力と体力が溜まるまでの準備期間は、大切。
以前、バズったこの自分のツイートを読みやすいよう、繋げてテキストとして残しています。(誤字脱字の修正と文章の微調整をしますのでオリジナルを多少改変しています。)
投げ銭を頂いたりしたら、嬉しさと興奮のあまりワタクシの鼻毛が伸びる速度が上がって大変な事になることでしょうね…。