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わたしは、ピアスを買えなかった

ピアスの穴を開けてから、1年と少しが経つ。

「やってみよう」と思い立ったあの8月を、いまでも覚えている。
思い立って、やってみよう、と決めて、翌日の休みに病院を予約した。
びっくりするくらい簡単に処置が終わって、びっくりした。

しばらくは自由にピアスの着脱ができず、好きなピアスがつけられるようになったのは、冬のこと。

ふたりの友達が、ピアスを作ってプレゼントしてくれた。
ひとりとは一緒に、ピアスを作った。
これは、友達との思い出を連れて、いまでも大切に使っている。

そして、わたしは

いままで、素通りしてきた「ピアスコーナー」を見て、わくわくできるようになった。
そして、その数の多さに呆然として、立ち尽くしてしまった。

実は、自分で買ったピアスの数は、かなり少ない。
ふたつとか、みっつとか。
これは、ポケモンセンターで買った。
ポケモンは正義だから。
ピアスというより、普段の買い物と同じ「お気に入りのポケモングッズを買い足す」という気持ちだったと思う。

新しいTシャツは買えるのに(なんだか必要だし)
新しいネイルは買えるのに(全然なくならないのに、買っちゃう)

なんだか、ピアスだけは上手に買えなかった。



そんなわたしが、最近ピアスを買った。

noteで知った、ハンドメイドのsarariさんのピアス。

sarariさんのことは、noteを始めた頃から記事を読ませていただいていて
写真がきれいで目を引いて
言葉が、やさしくて丁寧で
すごく、好きだった。
自分が落ち込んでるときは「sarariさんみたいにはなれないよぉ〜」と勝手に落ち込んだりしたけれど
わたしが勝手に落ち込んでいるあいだも、sarariさんはずっとやさしく言葉を紡いでいた。

お守りアクセサリー、というそのコンセプトも好きで
定期的に、sarariさんのショップを覗いていた。
運命を、勝手に探していた。


最近、「ちょっと頑張ってみようかな」と思える出来事があった。
少し、生き方にかけるチカラの分量を、変えてみようかな、と思えた。
「前を向く」という言葉が、わかりやすい気がする。
別に、下を向いて生きていたわけじゃないのだけれど
モヤが少し、晴れたような気持ち。
白紙の地図に、少しだけ建物が、書き加えられたような

そのときもなぜか、sarariさんのショップを覗いた。
そして、運命に出会った。

これだ、と思った。
これだ、とわかった。
これがきっと、わたしには必要だ、と。

はじまりの輝き
いま、もう一度わたしも、始めたい。
すぐに購入ボタンを押して、先日商品が届いた。

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ほんとうは写真の100倍かわいい!!!

さわったら、クリスタルは冷たかった。
クリスタルが冷たいことを知った。

耳につけてみたら、しゃんと気持ちが整うような気がした。
少なくとも「ソファーに倒れ込もうかな」という気持ちをやっつけて、「よっしゃ、掃除でもしよう」と思えた。

お気に入りのワンピースでも、いつものTシャツ姿でも
どんなどきのわたしにも、寄り添ってくれそうなデザインも、ほんとうにすてきだと思えた。



アクセサリーは、お守り。
という感覚は、たぶんずっとあった。

高校生くらいのときから、同じネックレスを首から下げていたりした。
いまは、左手の中指と薬指に、シンプルな金色の指輪をしている。
これは、出掛けるときは必ずつけている。

それぞれ、友達からもらったものだ。
中指の指輪を、お下がりとして譲り受けたあと
別の友達から「いつもつけてるやつに似てるから、あげる。わたしはもう使わないし」と言ってもらったのが、金色のピンキーリングだった。

お守り、だと思っている。
惑わないで生きるように、
惑ったときの、道標になるように。

「ハウルの動く城」で、ソフィーがつけてるやつ、みたいな感じ。
現在から過去へ、そして過去から現在は導いてくれた、あの指輪のように


「はじまりの輝き」も、きっとわたしのお守りになる。
ピアス穴は両耳にひとつずつなので「いつもこれをつける」という、指輪と同じようなお守りではないけれど
「今日は何つけようかな」と、迷ったときには、きっとこれを選ぶ。
きっとこれが、わたしのスタンダードになる。
一緒に、歩んでくれる
一緒に歩んでいくのだと、そんなふうに、思えている。

あの日の「前を向く」と思ったあの気持ちを、詰め込んで。



ようやく買えたピアスに、わたしは浮かれている。
このあとも、新しいピアスで、この街を歩くつもりだ。



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