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投げやれない、友達のこと

「休みなさい」と、その人は言った。

やさしいひとで、やさしい言葉遣いをするひとだった。
だから、そんなふうに言われて驚いた。
「休んでもいいよ」と、そういう言い方をするひとだ、とわたしは思っていたのに。
やわらかい言葉はそのままに、強い意志が乗っていたことを、わたしは静かに受け止めた。

「休みなさい」
「苦しいときは、周りを頼りなさい」

その夜、降り注いできた言葉はたくさんあったけれど、持ち帰るべきはこのふたつだと思った。
このふたつを抱えることが、あなたの愛に報いることなのでしょう。
交わした言葉が約束だと言うならば、わたしはそれを守りたい。

自分のことはよくわからなくなる。
眠たいときに眠るべきなのか、
適切な量を食べることだって難しい。
適切に褒めたり叱ったりもできない。
謙虚と自虐だって履き違えて殴りかかってしまう夜もあれば、
甘やかしすぎてとろけてしまう午後もある。

わたしは、自分のことがよくわからない。
でも、あなたのことは大切にしたい。
わたしが良い奴だからじゃない。
あなたが、やさしいひとだから。
どうしても、投げやりにできないだけで。

だから、ありがとう。




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