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わたしは、花本はぐみにはなれない。

「君も、ものをつくる人間ならわかると思うけれど」

さっきまでは「もう眠ろうと思う」と言っていた。
それをひっくり返して「気が向いたから書く」とわたしは言った。

「夜にしか書けないものと、朝にしか書けないものがある」

それは、どちらが優れているとか、そういう話ではない。
ただの、事実だった。
「そうだね」と、君は頷いた。

深夜1時
冷蔵庫のアイスコーヒーを、タンブラーに入れてストローを刺す。
真夜中のアイスコーヒーは、毒だと思う。
毒を摂取することで、わたしの生は輝く。
皮肉にも、残酷にも

最近、執筆時に使用していた旧型のAirPodsを装着して、外す。
今日は、これではない。
ノイズキャンセル機能がついたワイヤレスヘッドフォンをつけて彷徨ってはみたけれど、マトリョーシカを選んだ。
わたしの、夜と毒のテーマソング。

さあ、真夜中を始めよう。


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