キミとの旅は終わらない
2023年3月24日(金)
サトシが、マサラタウンを旅立った。
何度目の旅立ちだろう。
サトシは節目のたびにマサラタウンに帰り、そして何度も冒険に向かった。
こちらの世界で26年が経った今日、サトシのこれからの旅をテレビ画面で追うことができなくなった。
わたしは「サトシの卒業」なんて言ってしまったけれど、
友達が「今日はサトシの新たな門出」と言っていて、そっちのほうが何百倍も素敵で、真実だと思った。
気づいたら、サトシが主人公のアニメ最終回が近いと気づいて、慌てて書いたnoteは、note公式マガジンにピックアップされたこともあって、想像よりうんとたくさんの人に読んでもらえた。
「代弁してくれた」「同じ気持ちだった」というような言葉をもらって嬉しかった。
ああ、泣いていたのはわたしだけじゃなかったんだ。
サトシ、チャンピオンになって欲しいけど、どこかで負けて泣いて欲しかった。
そして立ち上がる、君の冒険を見ていたかった。
続きを見たら終わってしまうから、なかなか次を見られない。
という気持ちに頷いてくれる人もいて、ああ同じだと安心した。
続きを見なければ、サトシの冒険は続いていくんだって、夢を見たかった。
「ポケモンは初代くらいしかやってないけど、良いエッセイだった」というようなことを言ってもらえたのも、そりゃあもう嬉しくてたまらなかった。
そうでしょう? やっぱりポケモンは最高なんだよ!
なんだか妙に、胸を張りたいような気分だった。
*
自分の気持をさらけ出すことで
それがもしかしたら、誰かの気持ちと繋がって
そのことが、役に立ったり、喜ばれたり、
誰かの安心に繋がるかもしれない。
そしてそれは、とっても価値のあることかもしれない。
一生懸命書くことで、自分が素晴らしいと思っているものの素晴らしさを、伝えられるかも知れない。
推しを好きに、なってもらえるかもしれない。
好きになってもらうことは強制することではないけれど
推しを押してくれる人や、気にかけてくれる人が増えれば、推しは息の長いコンテンツになってゆくだろう。
「ポケモンが、百年続くコンテンツでありますように」
それがわたしの願いだ。
だからわたしは、サトシの門出を受け入れた。
我々おとなのセンチメンタルよりも、次世代の子どもたちが、ポケモンをたくさん愛せる環境になりますように。
*
ポケモンのことを書いたら、「ポケモン好きです!」と声をかけてもらえるようになった。
「実はピカチュウが好きです」とか、「ポケモンのこと語り合いたいです」とか
画面越しで顔は見えていないかもしれないけれど、わたしはニヤニヤしている。
とても、嬉しい。
そうか、お主もか。などと思っている。
何かを「好き」というのは少し難しく感じてしまうときもある。
誰かと比べて、自分の好きが小さい時ときだ。
かくいうわたしも、1987年生まれのくせに初代ポケモンをクリアしていないこととか、ゲームに関してはストーリーをクリアして満足してしまうこととか、
正直、最近の限定テラレイドとか、1回も参加してない。
レイド用のポケモンを育てるのは、なんだかめんどうだなあと思ってしまう。
誰か孵化余りを送ってくれ。とりあえずモクローをください(推し)
そんなわたしだけど、ポケモンのことは好きだ。
だって、ポケモンを見ると元気になる。
かつて「わたしはペンギンが好きだけど、水族館の人よりペンギンに詳しくない」と言っていた人がいて、なるほどなと思ったものだ。
あの日から、少しだけ安易に「好き」を口にできるようになった。
レイドとかランクマッチをやっていなくても、
最新作のゲームを買おうか気になって買っていなくても
ポケモン1000匹言えなくても
ポケモンGOが3日しか続かなくても
ポケモン好きでいいのだ。
もっと気軽に声かけてくれ
そういえば今日も、「ホゲータちゃんかわいいですね」と声をかけてもらえた。
去年の8月から、ホゲータをカバンにつけているのだけれど、定期的に褒めてもらえる。
「御三家はホゲータが最高です」と、にやにや答えていつも嬉しい。
だいたい、「わたしはニャオハにしました」と言われる。それでも。
*
好きなもののことを一生懸命書くと、共感してもらえたり喜ばれたり
仲間を増やしたり、見つけたりすることができる。
1000日ほどnoteに居座って、いろいろ書いたり弾いたり自分探しを続けてきたけれど
なんだよぉ、やっぱり教えてくれるのはポケモンではないか。推しではないか。
ポケモンのおかげで、また色んな人と知り合えた。
絆が深まった。
本当は、かわいい絵を描いたり、格好いい演奏ができたりしたら、世の中と関われたり、喜ばれたりするんだろうなあ。
まあ、わたしは好きに書いてるだけで……なんで結構卑屈に思いながら生きていたけれど
また、ポケモンに救われちゃったな。教えてもらっちゃったな。
そうだよね、わたしたちはサトシと一緒におとなになったのだもの。
これからも挑戦して、失敗して、負けて、喧嘩して
それでも、わたしたちの旅を続けてゆく。
サトシの冒険も、わたしの旅も、まだまだ終わらない。
キミに教えてもらった愚直なほどの前向きさ、どれほど時代が変わっても、わたしは忘れないよ。
いつかサトシと会えたときには、「おまえのおかげだぜ」なんて言って、笑って肩を叩いてやりたいなあ。
※now playing(旅の無事と祝福を)
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