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ふたりとさんにん

「3人で行くのはちょっと…」と言われたことがある。
Aくんと遊びに行こうと話したときに、
仲の良いBくんも誘おうよと言われたときのことだった。
べつに、AくんとBくんは不仲ではない。
3人、というのが苦手だと言われた。

ふーん、とその話を聞き流したことを覚えているが、「そういうのがあるらしいよ」と母は言った。
3人は苦手だけど4人はいい、とか
4人以上になると苦手だ、とか。
人によって、そういう感覚があることもあるらしい、と。

言われてみればわたしも、4人以上のグループLINEが苦手かもしれない。
取り立てて返事をしなければいけない、という事態ではないときは、
なんとなく読み流してしまったり、気まずい気持ちになる。

そういうのならば、母もわたしも大人数が苦手だ。
飲み会のような席は、あまり得意ではないし、極力行かない。

ライブハウスもあんまり好きじゃないかもしれない
他の人と比べちゃうとね、
と、認めたくないが、20代の頃からうすぼんやり思っていた。
音楽も、そう

話が逸れるけど、
自分が勤めていたライブハウスに来る人たちは、本当に好きだった。
これは断言できる。
お菓子くれたり、一緒に煙草を吸ってくれたこと、
気さくに話しかけてくれたこと、
めちゃくちゃたのしかった。
今でも会えるなら、どっかで煙草を吸いたい。
友達、とは少し違う関係であっても

町田プレイハウスからの帰りに、この記事を書いている。
弾き語りで、カシカサレタカシに出るようになってから、少し経った。
最初は、いつもあまのさんがいてくれたけど、最近はいないこともある。
あまのさんそのものがわたしにとってホームみたいだから、やっぱりいると安心する。

いなくても大丈夫になったのだ。
あまのさんとわたしの関係が変わったんじゃない。
プレイハウスとわたしの関係が変わったんだ。

たぶんわたしは、ライブハウスのその他大勢感が苦手で、
人がいっぱいいて、誰かに話しかけなきゃいけないような気がして

いま、わたしはプレイハウスで
ひとりずつ顔と名前とキャラがわかって、
どっかの誰か、じゃなくて
何か築けている気がする。
また遊ぼうぜ、と思えるようになった。

うーん、でも
このあいだワイサイで「駅から遠いねえ」て知らんおっさんに話しかけられたのもおもしろかったな。
わたし、途中で帰っちゃったけど
おっさん、最後まで楽しめたかな。
娘が出るんだって言ってた。

わたしの好きは、そういう好きなんだろうな。
そういうのを、好きになれたのかな。

こまめにライブハウスに足を運ぶことは少ないタイプかもしれない、
困った顔で煙草を吸う夜も、この先あるだろうと思う。

でも、
2度目ましての子が、少しほっとした顔で、声をかけてくれたりするのを見て
きっと、なんか、
そうやって繋がって、繋いでいくんだろうな。

てことは、
きっと、初めての場所でひとりになったら、
わたしはまた、煙草に火をつけて
そこから始めていくんだろうな。

きっと、
そういうことをおもしろい、と思えるようになったのだと思う。

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