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よくわからんアイコンのオッサンへ

 ついでに、よくわからん存在のオッサンへ

\\\往復書簡、はじめました///
人の話を聞くのが大好きな”めけ”と”ねる”が、あまり話を聞かずに好きなことをおしゃべりするお手紙マガジンです。

▼前回のあらすじ


 知り合って十余年経つことは確かなのだけれど、
 なぜ、この期に及んで、あなたがわたしに声を掛けてくれたのか、イマイチよくわかってくれなくて。
 だってわたしとあなたは、店員と客の関係で。(ライブハウスのね! この言い方は誤解を招きそうだ……)
 あなたは、あのとき知り合った気の良い、親愛なるオッサンのひとりで、
 いやでも何やら書き物をしていたり、何やら気にかけてくれたりと
 数多のオッサンの中から、なぜかうまいこと距離を詰められた(詰めていただいた)気がする。多謝。

 わたしだってね、すべてのオッサンと会うわけじゃないよ!!
 なんつーか、アナタは大丈夫なオッサンだと思ったんだよね。
 でも、「会おう」ってなったとき、候補に「美術館」が出てきて、本心はびっくりだったよ!!
 わたしも、美術館好きなんだけどね。
 人にあんまり誘われることないじゃん? 映画以上に。


 美術館は、大変に有意義だったね。
 たぶん、そういう気遣いではなかったと思うんだけど、歩く速度が一緒くらいでラクチンだった。美術館の、じっくり”見なくては”という雰囲気が、あまり得意ではなくて。わたしは、ふらふらするのが好き。

 あなたの目線は、非常におもしろかった。
 わたしはただ、ほんとに「すげえ」と思って。
 絵画はナマモンっていうかさ、ほんとにあれを、かつて生きていた人間の”手”で生み出している。データじゃなくて。そして、歴史を越えてこの時代にやってきたことに、それだけにえらく感動してしまう。

 あなたは「この時代は車はなかった」とか、「どんどん町並みができてゆくね」とか、時代背景を考えたりだとか、
 絵を描いたその人の目線に立ったりする視点を知れて、大変に満足でした。ひとりでいくよりオモロかったね。

 わたしはほんとに、「おもろいなあ」とか「これ好きだな」とか、感情だよね。感覚と
 あと、デカイものが好き。
 だから、デカイ絵とか見ると、すごい感動しちゃうよねえ。
 あれは、美術館ならでは。

 あと、歴史が好き。
 カタカナが苦手だから、世界史はどうしても覚えられなかったんだけれど、日本史は今でも好きで。

 ただ、歴史にロマンを感じる。
 それだけなんだよね。

 だから、浜松の楽器博物館に行きたいって言ったんだと思う!
 ベートーヴェンが弾いていたのと同じカタチのピアノとか
 バイキングが吹いていた角笛とか、法螺貝とか
 わくわくして仕方がないのよ。
 恐竜とかもね。歴史でデカイじゃん。


 ここまでの話で「なんでコイツ美術館が好きなんだろう」って思ったかもしれないけど。そうそう、ゴッホの「ひまわり」ね。

 なんで見たかったかって、そんなの決まってるじゃーん!
 「業火の向日葵」だよ。名探偵コナンの、映画のやつ。
 あれに、ゴッホのひまわりが出てきて。
 コナンくんたちが、美術館に実物を見に行くの。
 おばあちゃんがね、毎日「ひまわり」だけを見に来るってエピソードもすっごい好きで。
 「ひまわりの」の前のベンチに、わたしやたらと座ってたでしょ?
 あれはもう、聖地巡礼だよ。

 そんだけ!と言ったら言い過ぎかもしれないけれど、だいたいそんな感じ。
 わたしが、ゴッホの「ひまわり」のブックカバーを使っている理由も、多分そんなもんで。
 いやあ、実物はデカくてびっくりしたよね。
 そしてやっぱり、息吹があったというか、絵の具が乾いて重なってゆくさまは美しいと思うんだけれど
 偽物だとしても、同じ感想を言っちゃうと思う。

左手に持ってるの、文庫本
ひまわりは、デカかった

 ああ、あと「北欧の芸術について」だよね。
 いやもう、ぜんぜんわかンなかった!!
 寒そうだったよね。
 わたし、音楽も全然詳しくないし、世界史もわかんないから、「北欧」って言われてもピンとこなくて。
 でも、ギリシャ神話じゃなくて、北欧神話……ロキとか、オーディンとか、そっちのほうね。っていう、なんとなくそんだけの知識しかなくて。

 オーディンのこと「ODEN」って描いてあるのが、最高に好きだった。

右上拡大で「ODEN」
この絵好きだったなあ。
好きな子が人間界に帰らないように飲ませる毒の話。
人間味というか、「わかるな〜〜」っていうのが好きなのかもしれない。


 わたし、あなたが思っている300倍くらいは何も考えてないよ。


 あの日の思い出は、そんな感じかな。
 楽しかったよね。

 あの日以降、お酒の美味しさがちょっとわかるような気がしてきて
 ビールを注文したあとに、ジンジャーエールを氷ごとぶち込み続けて、どんどん薄くしてゆく飲み方を、我が家では「めけ飲み」と読んでいます。
 また鶏皮のやつ食べたい。
 また美味いモン教えてください。

 そんで、どっかのタイミングで、全部の話題を無視して「それでさ〜〜〜」って切り返して(切り崩して)くれるのを待っている。
 そしたらわたし「オマエ話聞いてンの?」って突っ込むから。
 いやあ、楽しみだなあ。
 オッサンは、けっこう話を聞いてくれるタイプだから。

 わたしは、そのチャンスを虎視眈々と狙っているよ。


 じゃ、またのお手紙をお待ちしております。(返事に限らず)
 めけさんが書かなくなるまで、わたしは返事書き続けるよ。


(追伸)
「大きく振りかぶって」見始めました。
 わたしが誰かにアニメ勧めるんだったら何かな〜〜〜
 相手の好みに合うかわからん。って思うと、わたしは「オススメすること」があんまり得意じゃないのかもしれない。
 聞くのは好きなんだけどね。
 案外(と思うかどうかわからないけれど)、好き嫌い激しいよ。
 嫌いなものの、話をしないだけで。



▼お手紙まとめ




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