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君とパピコ

ねえ、
「あなたとはどんな仲だったの?」って、誰かに訊かれることがあったなら

あなたとの思い出はたくさん、たくさんあるけれど
よくお菓子を食べていたね。
あなたは見た目が強そうなのに、存外やさしいひとで、いつも「食べな」って言ってくれた。

お互い口が悪くて、
でも、悪口を言っていたのはいつもわたしのほうだった。
陰口じゃないっていうのが、心地よかった。
それは、小学生のいたずらみたいな悪口だったね。
ふたりで、みんなで、よく笑っていた。

頭の回転速度が似ていたのか、
思考回路が似ていたのか、
もう定かではないけれど、
おそらくわたしがあなたに似たんだと思う。
いちいちが面倒で、あなたに似せて考えてゆくことで、言葉を減らして
「あれが、ああで、だから、わかった」って
言っているのはだいたいそんなふうで、らくちんだったね。

あなたとの思い出は、たくさんあるけれど。

でももし、誰かに尋ねられたなら
きっとわたしは、こう答える。


「パピコを半分こした仲だよ」


お菓子もアイスもなんでもいいのに、ときどき買ってくるパピコを、いつも半分くれたね。
なんだかうれしかったよ。
行儀の悪いわたしたちは、口に加えたまま、両手では別のことをしたりしていたね。


これからわたしに、仲良しのお友達ができたら
仲良しの子と、ふたりでアイスを食べる日がきたならば
そのときはきっと、ずっと
パピコを選ぼうと思っているよ。



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