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言葉のリレー
午前0時
を、少し過ぎたころ。
メールが届く。
*
思い立って、noteの予約投稿っていうのを始めてみた。
少し前にnoteプレミアムの会員になってからも、予約投稿の機能はうまく使えなかった。
もちろん、使い方がわからない、とかそういうことではなくて。
べつに、書いたり弾いたりしたら、すぐ投稿すればいいじゃん。って
ほんとうに、その通りなんだけど
書き溜めはしたくないとか、
わざわざ決めた時間に投稿することはない、とか
なんだか、言い訳染みた言葉ばっかり湧き上がって
なんとなく避けてしまっていた。
でもさ、べつにさ
書き溜めをするわけじゃなくて
べつになんの目的がなくても、毎日同じ時間に投稿するんじゃなくても
とりあえず「予約投稿」やってみたらいいじゃないか、って
「いま、準備や新しい課金をしなくてもできること」って、
興味があったら、飛び込んでみても悪くないよね。
言い訳をするっていうのは、無視できない存在だってことに、もう気づいてしまっている。
なんて思えたのは、身体が動かなくなっているからだ、と思うと笑ってしまうけれど。
もっと体力があって、勇敢なわたしだったら、違うことに挑戦していたかもしれないけれど
いまは、この部屋でできることを探していて、それも悪くないなって思ってる。
「予約投稿」なんて、ほんとうにささやかすぎるかもしれないけれど。
*
今晩弾いたピアノを、次の夜の0時にセットするのを繰り返している。
そうして毎日、メールが届く。
予約投稿していた記事が投稿されました。
それが妙に、うれしくて、びっくりしてしまった。
まぬけだなあ、と思うほどに、なぜだか
一晩前に奏でた音を、紡いだ言葉を
わたしは、覚えていたり、覚えていなかったりする。
ぎゅっと飲み込んだ言葉たちが、いちにち経て、もう一度わたしに会いに来てくれるこの感情を
わたしはうまく、表現することができないけれど
エールだ、と思う。
手渡されたバトンだ、と。
今日はもうサボっちゃおうかなあ、とか
なかなかパソコンの前に座れないなあ、なんて思っていると、メールが届く。
昨日のわたしが、這って作った証。
肩を叩かれる。
「今日もよろしくね」って、不敵にほほえむ。
「昨日頑張ったんだからさ、今日も当然頼むよ」って、なんだか強気のわたしが、妙に心地よかった。
「そうだよね」と思って、パソコンの前に座る。
いま、深夜3時のわたしが書いた記事は、今晩22時に投稿されるように設定しようと思う。
そして明日の夜のわたしは、そのまた次の22時に送り出す言葉を紡ぐ。
そうしてぐるぐるとめぐる
音と言葉のリレーを、わたしは繰り返してゆくのだろう。
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