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「オーストラリアまで行けば、タスマニアに行けそうだね」

最近は、同居人と一緒に夜更かしをしている。
わたしは、noteの更新をすべて終えたあと、ソファーに沈む。
同居人は、ゲームをしていたり、YouTubeを見たりしている。

昨日は、YouTubeだった。
きまぐれクックさん(うちでは大ファン、遅ればせながらご結婚おめでとうございます)の動画が、自動再生で流されていた。

ふいに流れてきた動画で、きまぐれクックさんはめずらしく、スーパーで買い物をしていた。
様子がへんだな、と思ったら、日本のスーパーではなかった。

(この動画)
(きまぐれクックさんの、メインチャンネルじゃないほうのやつ)

これは、どの国なんだろう。
気になってタイトルを確認したら、『タスマニアの謎の食材&飲み物』

タスマニア…

「タスマニアデビルしか知らない」
同居人はそう言った。
わたしもそうだった。
タスマニアデビルという、黒い獣がいる、ということは知っていた。
それが、タスマニアにいるかどうかも、よく知らない
獣の存在だけ、なんとなく知っていた。

どこだろう
わたしは「タスマニア とは」でGoogle検索していった。
場所を調べようと思ったら、Google Mapのアプリが立ち上がった。
いまわたしが住んでいる、この部屋から、ぐんと地図は引っ張られてゆく。

タスマニアの位置を、点で表示されてもわからない。
わたしは、地図の縮尺を変えながら、タスマニアの位置を確認した。

オーストラリアと、小さくタスマニアが映る画面を用意して、同居人に見せた。
オーストラリアの、右下あたりにぽつんとある島だった。



「オーストラリアまで行けば、タスマニアに行けそうだね」



けろり、と同居人はつぶやいた。

びっくりした。
わたしは、タスマニアの場所を知りたかっただけなのに。
まるで、今からタスマニアに行くまでの、道順を調べて、「行っちゃおうか?」というような、身軽な空気をまとっていた。

もちろん、そういうつもりじゃないことはわかっている。
同居人とわたしは、昨年パスポートを取ったばかりの海外旅行初心者だし、
ふたりで旅行なんて、したことがない。

「財布とケータイと、鍵だけ持ってスーパーに行こうか。牛乳が、もうなくなるから」
くらいの気楽さで、
「パスポートと、ちょっとの洋服と常備薬だけ持って、行ってみようか」
とでも言えそうな、雰囲気だった。



わたしたちは、タスマニアに行くことができる。

このご時世とか、無職で貧乏とか、そういうことはおいておけば
「行く」と決めて、パスポートだけ持っていけば、きっと行ける。
飛行機だって、パソコンの画面を何回かクリックすれば、予約をとることができる。
クレジットカードが使える国なら、だいたいなんとかなる。

昔はよく、「パスポートがないのに、海外旅行に行かなくちゃいけなくなる」という夢を見た。
不思議なことに、パスポートを取ってから、その夢は見なくなった。
パスポートを取るのはちょっと手間だったけど、有効期限内にそれを持っていけば、けっこうサクッと、海外に行けることを、わたしは知った。



タスマニアには行けない、と思っていた。
どこか遠い世界の出来事で、わたしには関係ない、と思っていた。
確かに、その感覚も間違っていない。

でも、

「関係がある」とか「関わりたい」とか「行きたい」って、
思えば、
手間とお金をしっかりかければ、
関わっていくことができる。

わたしは一生、きまぐれクックさんに直接会うことはできないかもしれない。
そういうことは、時間やお金をかけても、叶わないかもしれない。

でも、タスマニアには行ける。

そう思ったら、「わたしには関係ない」「どうせわたしにはむりだ」と
目を背けてしまった夢が、たくさんあるような気がした。



そのあと、はじめしゃちょーの動画も見た。
家にライオンが来た、という動画だった。

「いや、ふつー家にライオン呼ばないでしょ」みたいな
「ふつー、やらないでしょ。お金と時間がどんだけあっても」みたいなことを
平気な顔して挑戦して、どんな結果でも、おもしろく料理して届けてくれるので、はじめしゃちょーの動画はおもしろい!(好きです)

ふつー、家にライオンは呼ばない。
この動画ではじめしゃちょーは、「専門家の立会の元、市と大家さんに許可を取った」と言っていたので
同じ手順を踏めば、わたしもできるかもしれない。
……やらないけど



やらない
できない
やめたほうがいい
どうせむり

挑戦の矛先は、だいたいどれかにぶち当たってしまう。
もともとできることだけで作ったら、「挑戦」ではなくなってしまう。
そんなことはわかっているのに、「わたしにはむり」と、
いったい幾つのことに、手を伸ばさずに過ごしてしまっただろうか。

わたしは、タスマニアにだって行ける。

きちんと順序立てて、
最初はその、項数の多さにびっくりするかもしれないけど
ひとつずつ、積み重ねていけば、必ず、届く。

まだまだ、わくわくしたい。
タスマニアに行けるかもしれない、と思った
この気持ちを、わたしは忘れたくない。

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