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「ピンク=女性らしい色」の起源

ピンク=女性らしい色って、いつから始まったんでしょうか。

世界的(というか欧米?)には1953年。合衆国アイゼンハワー大統領就任式の際、ファーストレディーであるマミー・アイゼンハワーが、ピンクのボールガウンを着て、パーティーに出席したのが、流行の始まりなんだとか。それ以来、ピンクは大統領夫人のシンボルカラーとなり、世界的にもピンク=女性らしい色という認識が広まったらしいです。ちなみに、それ以前は女性らしい色=ブルー、男性らしい色=ピンクだったのだとか。

一方日本では、「桃の節句」や「大和撫子」の言葉に代表されるよう、その歴史は古く、桃色やなでしこ色を女性らしさに例える表現は、古今和歌集にも存在するそうです。ざっと1000年近い歴史があることに。日本では「ピンク=女性らしい色」と認識しやすい素地があったということになります。

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↑なでしこ

さてさてこちらの建物は神戸市立婦人会館。

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ピンクのストライプがとても魅力的な建物です。60年代の建築でしょうか?いかにも当時らしい、モダニズム風のまとまった装いですが、各ゾーンで窓のデザインが異なるところが実験的でもあります。病院みたい、と感じる人もいるかも。


同組織の活動理念は、

「婦人の文化と教養を高め、社会的地位の向上を目的とした社会教育施設」

とのことですが、もちろん現在では「ご利用者を女性に限定することなく男女、年齢を問わず参加できる、世代を超えた地域交流の場を目指し、お互いの顔が見えるリアルな「つながり」や、地域で「支え合う」ことを大切にしたいと考えています。」とのこと。

活動理念は、当事者の意識の変化によって、時代と共に変化してゆくことでしょう。しかしながら神戸駅から徒歩すぐの好立地に、この規模の建物が、女性を意味するピンクのストライプの装いで、「婦人会館」として街角に現れたと言う事実は、「婦人の文化と教養を高め、社会的地位の向上を目的とした」という当時の理念の熱気と、歴史的事実を伝えていると感じます。

理念は変化するもの。だからこそ始めた頃の熱気、原点を忘れないことが大切で、現在の価値観からずれた古い建物(に限らず実存する物)を残すということは、そういった原点の確認に繋がることなのかもしれませんね。

そして変化した理念が、「男女、年齢を問わず」となっていることは、原点である目標をある程度は達成し、全体としては次のステージに進んでいる、ということの、なによりの嬉しい証左ではないでしょうか。

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(20210426)

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・ちなみになんですが僕は、ピンク=女性らしい色と認識する原点は、赤ちゃんが初めて感じる、お母さんのお腹の中の色なのでは、と結び付けています。まだ目は開いてないんでしょうけど笑
ピンク=女性、ひいては母、というところでしょうか。

・トイレの案内板の男女の色分けが差別的だ、というのをネットニュースで見ました。が、ただの可視光線の波長の違いに対して、ここまで認識を持てちゃうのは、全生物の中でも人間だけなのでは?と、個人的には積極的に楽しんでおります。どうせ授かった能力ということで。



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