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「なんとなくよかった」を使いこなす
「なんだかんだで参加して良かったよね。」
という気持ちになることってありませんか?
最初は気が進まなくても経験値としては優秀となるパターンも多いですからね。
ただ、主催者側としては、本当に参加者が満足しているかどうかとうのは、シビアに見ていかないといけません。
これは、授業も同じ。
ちょっとブラックな感じもしますが、そんな話を書いていきます。
▼ピークエンドの法則
ピークエンドの法則というのは、人間がある出来事に対してピーク(感情が一番高まった部分)とエンド(終わり方)で全体の印象を決めているというおもしろい法則のことをいいます。
これを学校場面に当てはめてみましょう。
現在、急速に変化を求められている学校現場。しかし、まだまだ昔ながらの取り組みが生きています。その1つが運動会。
運動が得意な子どもたちにとっては楽しみでしょうが、みんなが楽しみにしているかといえばそうでもない。
ただ、授業として取り扱っているので、「いや、今回の参加は見合わせます。」という選択肢をとるには、なかなか勇気がいります。
もちろん、数か月に渡って行われる練習の中では数々のドラマが生まれ、本番で心を一つにして終わることができたのなら、「やってよかった!」という気持ちは演出できるでしょう。
しかし、本当にそれは自分の経験値として生きてくることなのでしょうか。
冷静に考えてみれば、体育の授業の数時間でそんなに走る速さは速くならないでしょうし、大人になってダンスをする仕事に就く人のほうが稀。
だからこそ、子どもたちが主体となる活動を創り上げるのであれば、「運動」、「音楽」、「芸術」などなど、いくつかのジャンルを用意して、自分が挑戦したい!と思えるイベントに数か月をかけて準備していく。
または、「運動会」を「体を動かす楽しさを感じる」みたいな生涯使えるテーマとして、競い合う部分はあるんだけれど、ガチでやるところと楽しむ部分を分けて子どもたちが企画・運営するなんて方法でやった方が本当は楽しいのではないかと思うのです。
こんな勝手なことを言い出すと、きっと「運動会には価値がある。あれだけ子どもたちがやってよかった!と言っているじゃないか。」という意見が出てくると思うのです。
しかし、それってピークエンドの法則からめてません?
大人であれば経験があるでしょう、内容の薄い会議に出て、終わった瞬間に気持ちが晴れ晴れするなんて。これって、「終わった!」という気持ちとか、「代表として会議に出た!」という内容に関係しない部分で達成感を得ている証拠。
学校が主催する強制イベントは、子どもたちが満足しているように見えて、壮大なバイアスにまみれているのかもしれません。
▼ピークエンドの法則を使いこなす
さて、いったん毒を吐ききったところで、ピークエンドの法則は本当に強力だから使いこなした方がいい!という内容をまとめていきます。
「授業」の中でどのように使いこなしていくかという話題。
まず「ピーク」の作り方ですが、授業場面のピーク作りはめちゃくちゃ難しい。なぜなら、そもそも「その授業に対して子どもたちが主体的に参加していないとピークは作れない」からです。
「なんかよく分かんないけど、先生めっちゃ説明してるな。」くらいの気持ちでは、どれだけ教師側が手立てをうったとしてもピークになり得ない訳です。
ということは、根本的に子どもの興味を引く教材選定から授業展開と進んでいかないといけない。
とはいえ、年間1000時間を超える授業でそれをすると考えると、なかなかどうして現実的ではない訳です。
しかし、手軽に「ピーク」を作ることができる。それが、
「子どもを授業に参加させる」
という方法です。
退屈な授業にうとうとしていたら、名前を呼ばれてハッとした。なんて経験ありませんか?
授業にかかわらず、「参加している」という状態は、その活動に対して気持ちが向いているということ。だからこそ、授業に対して上手く入ってこれるように教師側が手立てを打てばいいのです。
例えば、「意図的に指名をして意見を述べてもらう」方法が1つでしょう。
不思議なもので、自分の意見を発表することができると、それまで退屈だった授業が、なんだか楽しい気持ちになるのです。
それは、自分が活躍できた!という自信にもつながります。
これが、「ピーク」の作り方。
そして、「エンド」の部分。教師がもつ最強の武器「称賛」を使いましょう。全体に向けて、
「〇〇さんの意見で、みんなの考えが深まったよね。」
といった感じで、褒めるのです。
きっと、取り上げられた子どもさんは、「今日の授業、楽しかった!」と充実したエンドを迎えることでしょう。
余談ですが、1つの活躍をひっぱって褒めるという方法もあります。
授業後の休み時間、給食の時間、そして「さようなら」のタイミングなど、ちょっとした時間に「今日の〇〇って意見、最高だったよ!」と個別で褒めて栄光を想起させる。
こんな細かいサポートにより、子どもたちは主体的に授業へ参加しようと思ってくれるのです。
▼まとめ
本記事では、「ピークエンドの法則の使い方」について話題としました。
様々な場面で使えますので、ぜひとも使いこなしてくださいね。
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