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令和元年度卒業証書授与式。

3月19日。

本日、令和元年度卒業証書授与式が執り行われた。

6年生にとっては、小学校生活最後の授業。

体育館には、久しぶりに集まった仲間たちと笑顔で話をする子どもたちの姿が見られた。保護者の姿はない。もちろん、在校生代表として出席するはずだった、4,5年生の姿もない。

卒業生と、教師だけの卒業証書授与式。

一度も練習することなく、本番を迎えた。

保護者の立場からすれば、6年間という長い時間をかけて育て上げた子どもの集大成を見られないというのは、言葉に言い表せない程、残念な気持ちが強いはずだ。教師としても同じだ。立派に成長した晴れ姿。たくさんのお祝いの言葉に囲まれて、照れくさそうに笑っている姿を見るのが、教師にとっても最大の喜びだ。例年であれば、

1.開式の言葉
2.国歌、校歌斉唱
3.卒業証書授与
4.学校長式辞
5.来賓祝辞
6.保護者代表祝辞
7.来賓紹介
8.門出の言葉・歌
9.閉式の言葉

という流れになるのだが、今年度は、来賓や保護者からの祝辞がなくなり、完全に学校関係者のみの卒業式になった。

そこで僕たちは考えた。「例年通りでないのなら、思い切り特別な卒業式にしよう。」と。

まずは、会場だ。
・ぽっかり空いた保護者席の場所は、卒業制作としてイラストが描かれた跳び箱を並べた。
・一年間を通して思い出が振り返られるよう写真を提示した。
・来賓が座る予定であった場所にも教員席を設置して、教師が両側を囲むよう座席配置をした。

プログラムも大幅に変更した。
・子どもたちの「門出の言葉」を受け、逆に「教師が送り出す言葉」を付けたした。
・子どもたちが歌を歌う際、教師が子どもたちの正面に移動して聞くことにした。さらに、「旅立ちの日に」の2番を、教師も歌うことにした。
・「卒業生退場」の際は、教師が花道をつくって送り出すことにした。

さらに、卒業式終了後の写真撮影を終え、学校の外へ出ていくときには、教師による「空も飛べるはず」の合奏で送り出すことにした。

僕たちにできることは、やったつもりだ。外で待っていた保護者の前で、校長が「申し訳なかった。」と気持ちを伝えていた。保護者の方としてみれば、様々な考え方があるだろう。しかし、何人かの保護者からは、温かい言葉がかけられた。最後は、例年の卒業式恒例の記念撮影大会。みんな笑顔で帰っていった。

常時換気やマスク着用、パイプ椅子の間隔広めなど、異例尽くしの中で行われた卒業式。僕が個人的に心に残ったのは、子どもたちの歌声を正面から聞くことができたことだ。気持ちが込められた歌は、人の感情を動かすということを改めて感じることができた。それは、子どもたちにも言えると思う。教師が知恵を出し合って、子どもと共ににつくりあげた卒業式。「できないこと以上にできることで祝いたい。」という気持ちが伝わってくれたことを願っている。

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