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「思い込み」が発生する仕組みと打破する方法

2020年、秋。それまでの継続を一斉に見直す必要性が求められました。

長かった休校期間明け、なんとか運動会も開催の方向でと話がまとまったのです。

ただ、通常通りとはいきません。

運動場に集合する人数の制限や演技内容の工夫。

そして、根本的な開催時間の一新が求められました。

そして学校側として提案したのが、「お弁当なしの半日開催」。

様々な条件をクリアするためには、これしかありません。

学校側としてはかなり思い切った提案だと思ったのですが、参加者の方からいただいた反応は意外なものでした。

「半日開催がちょうどいい!」

学校側としては、「子どもたちの活躍場面が減ってしまう」という懸念から何とかして1日開催を!という意見も出ていたのですが、

「見ている方も暑くて大変。半日くらいの学年入れ替え制でもいい。」
「お弁当をつくらなくていいのが嬉しい。」

といった声をたくさんいただいたのです。

このように、「求められていると思っていることが意外と勘違いである」なんて過ちをやってしまいがち。

「長年連れ添ったパートナーであっても相手の気持ちを正確に予測できるのは40%」という報告もあるくらい、ぼくたちは思い込みを発動してしまうのです。

本記事では、「なぜ、そのような思い込みが発生するのか?」についてまとめました。

このまま読み進めていただき、「自分の気持ちは言葉で伝えないとな!」と思っていただけたら幸いです。


▼なぜ、「思い込み」が発生するのか

前提として、「思い込み」は意識しないと簡単に起きてしまうということはどうしようもありません。

もはや、脳の癖のようなものなのです。

ぼくたちの脳は、絶えず働いているため少しでもエネルギーを貯めこもうと常に省エネモードで動いています。

「現状維持バイアス」なんて言葉は聞いたことがあるでしょうか。

簡単にいうと、ぼくたちは「変化を嫌う」特性があります。

「見通しのもてないことが苦手」とか「初めての人・場所に不安を感じる」なんて人も多いと思いますが、これも現状維持バイアスです。

やはり、変化を伴うことに対応するにはそれなりのエネルギーが必要ですからね。

脳からしてみれば、「なるべくいつも通りでお願いしたい!」といところ。

さらに、脳の省エネモードは「推測」という行為にも及びます。

ぼくたちの脳は、省エネモードの癖に筋が通っていないと納得できない。

例えば、「けんかした兄弟」がいて「壊れたおもちゃ」が落ちていたら、

「はは~ん。おもちゃの取り合いがあったんだな。」

というように「実際は分かっていない事実の隙間を埋める」という作業をしてくれます。

しかし、話を聞いてみると「テレビのチャンネル争い」なんてもこともある。

やっかいなのは、この「推測」という行為は、過去の記憶にも影響を及ぼすところ。

友達と思い出話をしていて、お互いが「過去の栄光を自分のもの」と主張するなんてことありませんか?

記憶というのは時間が経つほどあいまいになっていくのは仕方ありません。

もちろん、「あれっ、なんであんな結果になったんだっけ?」と曖昧な部分が出てくることは仕方ありません。

しかし、そのような状態は気持ちが悪い。

だからこそ、その間を「推測」で埋めてしまい、周囲との”記憶違い”が生まれる。

やっかいなところは、その”記憶違い”を本人さえも自覚できないところです。

周囲から「そこは〇〇だったろ~」と言われて「ああ、そうだ!」になれば良いのですが、場合によっては納得できないこともありますからね。

とにかく、ぼくたちの脳の「省エネモード」という働き方によって、様々な場面で「思い込み」が発生してしまうのです。

▼「思い込み」を上手に使っていくこと

さて、脳の癖を知っていただいたところで、大切なのは「この癖をどのように使っていけば成長できるか?」ということですよね。

「現状維持は退化である」なんて主張も聞かれますが、やはり人間は「変化を受け入れ行動できたときに成長する」のです。

だからこそ、「不安」とか「心配」、「居心地の悪さ」とか「退屈」といったネガティブ感情がわいてきたら、それは成長チャンスと捉えましょう。

「できればいつも通りでいて!」という脳の癖を刺激しているということですからね。

不安定なメンタルは、見て見ぬふりしなければレベルアップの”きっかけ”になるのです。

さらに、「現状維持」から抜け出すおすすめの方法をご紹介します。

それは、

「なぜ?と問いかける」

という方法。

特に、「例年通り」とった提案が出てきたらチャンスです。

その会議に出ている人たち全員が「何となくやるもの」と感じているだけで、特にやる意味はないということに気づく”きっかけ”となるかもしれません。

「みんなが何となく信じていること」に対して「なぜ?」と問いかけることは非常に価値があります。

▼なぜ、「なぜ?」と問いかけられないのか

最後に、さくっと「なぜ?」と言えない構造を書き留めておきます。

これも、脳の「省エネモード」が深く関係しています。

単純に、「なぜ?と問いを発するとそこから議論が生まれてしまう…」という理由。

もっと嫌な感じでいうと、「みんな心の中で『早く終われ』を願っている会議の中で『なぜ?』と問いを発して話を広げることを望んでいない」なんていう低生産性会議ではこのようなスルーが起こりがちなのです。

このような状態になるのは、会議参加者に「やる気がない」という理由もありますが、会議参加者が「忙しすぎて余裕がない」という理由もあります。

前者の場合はおいておいて、後者の場合は敢えて「なぜ?」を発して無駄なことを排除していくという方法は必要不可欠。

最終的に効率を上げるのも、斬新なアイデアを出すにも「心の余裕」が大切なのです。

▼まとめ

本記事では、「思い込みの発生原理と解決法」についてまとめました。

脳の癖なので、相当意識しないと気づくことはできません。

だからこそ、前例に囚われることなく発想できる「はみだし者」さんは、ここでも貴重な存在になるのです。

ぜひぜひ、生活の中に潜む「決めつけ」を見つけてみてくださいね。


「思い込み」から脱するには、一般論に囚われないことが最善です。

「孤独」も然り。

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