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男性蔑視や差別が叫ばれる世の中になりつつあるけれど

 とあるB型作業所に通っていた10数年前、年配の女性スタッフをはじめ、周りのスタッフや一部の利用者たちが、当時30代後半だった新人の男性スタッフが独身であることをしょっちゅうからかっていじり倒している光景をよく見かけた。
 そんな彼ら彼女たちの言動を聞く度に、私はいつもその男性スタッフを気の毒に思い、いたたまれない気持ちに苛まれていた。
 女性に恋人の有無や結婚について尋ねるのはセクハラとされているのに、それが男性ならまあいいだろうという風潮には、女性の私でもずっと納得がいかなかった。それこそ差別じゃないの?!と心の中で密かにモヤモヤしていた。
 あの光景もきっと今だったら立派な男性へのセクハラ、あるいは男性蔑視になっていたのかもしれない。

 男女差別や男性・女性蔑視にならないようにと、自分の発言にはより慎重にならなければならない今の世の中は、確かに息苦しい。しかしその一方で、女性たちと同じように傷つけられてきたであろう男性たちにもスポットが当たるようになりつつある現代は、それはそれで良い世の中になってきたなあと思う。

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