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3度目のリベンジ

 主にパソコンで使っているイヤフォンの調子が悪くなった。片方の耳の聞こえが小さくて聞き取りづらくなったのだ。ちなみにそれは2年前の7月の終わりぐらいに買ったiPod touch(第7世代)に付いてきた物である。そりゃあ2年近くもほぼ毎日のように使っているのだから、その分劣化するのも早いだろう。
 新しいイヤフォンをどこで買おうかと考えていたところ、友人がセブンイレブン(以下セブンと記す)で1200円ぐらいでイヤフォンを買ったという話を聞いた。なるほど、セブンなら近所にもあるし、ヘルパーさんとの散歩のついでにも行けるだろう。とりあえずパソコンの画面読み上げソフトの音声が聞ければ良いので、音質にも特にこだわりはないし、それほど高価なものでなくても良いのだ。それならセブンのイヤフォンで充分だろうと思ったのだ。

 1度目に買いに行ったのは9月の半ば頃だった。
 この日は散歩中に大雨に降られたのだが、家を出る時に傘を忘れたせいで、ずぶ濡れになりながらセブンまで行った。
 帰ってから開封してみると、それはIphone用のイヤフォンだった。これではパソコンに差すところが無いので使えないではないか。
 おまけにIphone用のイヤフォンは、5月に京都に行った時に2箱も買っている。さすがに3箱も同じ物はいらないだろう。大雨に降られながらせっかく買ってきたのに…。
 でもまあいいや。Iphone用のイヤフォンならいくつあっても便利だし。ちなみに今Iphoneではその時に買ったイヤフォンを使っている。

 2度目に買いに行ったのは2週間前だった。なぜ1度目に買いに行った時から2か月もの間が空いたのか。それはめんどくさかったからだ。片耳の音量が小さいってだけで全く使えないわけではないからすぐに買わなくても良いだろうと思ったのだ。
 だが11月に入ったぐらいから、パソコンでの作業の時などにイヤフォンの片耳が聞こえづらいのがいよいよ不便に感じるようになった。これはやはり新しい物を買いに行かなければと、再び重い腰を上げたのだった。

 先に書いておくが、私はItやメカに関する知識や頭脳が非常に乏しい。ようするに機械音痴というやつだ。
 そんなわけだから、セブンのイヤフォンコーナーで『ステレオ』と書いてあるのを見ただけで、ステレオということはパソコンでもたぶん使えるだろうと勝手に判断してしまったのだ。

 帰宅して早速開封した瞬間驚いた。イヤフォンに差すところが無いのだ。どこをどう探してみても、イヤフォンジャックに差せそうな場所が見当たらないのだ。
 これでは全く使い物にならない。2500円もしたのに…。

 仕方がないので友人にあげようと、その日の午後フェイスタイムをかけてみたところ、「それブルートゥースじゃないの?」と言われてはっとした。
 改めてそのイヤフォンをよくよく触ってみると、マイクのような物や、電源ボタンらしきスイッチや、充電用のライトニングケーブルを差すところと思われる物があることに気づいた。
 友人が言うように、それは確かにブルートゥースイヤフォンだった。
「せっかく買ったんだから試しに接続してみたら?」という友人の勧めで、とりあえずiPod touchに接続してみたところ(その接続もフェイスタイムを繋いだまま友人の指示を仰ぎながら行った)、どうにか使えることが分かった。
 結局2度目に買ったイヤフォンは主にiPod touchで通話する時に使っている。

 それにしても、早くパソコンで使えるイヤフォンが欲しい。寄りによって近所のセブンでなぜ2度も同じような失敗をしなければならないのだろうか。
 3度目のリベンジを試みたのは、2度目のイヤフォンを買ってから丁度1週間後のことだった。
 その前日の夜、さきほどの友人から「3.5と書いてあるやつを買え」と何度も教えられたので、今回は3.5に注目してイヤフォンを探した。
 3.5…、それらしき数字が書かれているイヤフォンは確かにあった。だが値段が2000円ちょっととお高めなのが若干気になる。本当にこれでだいじょうぶなのだろうか。
 念のため店員さんに聞いてみた。だがその店員さんはまだ日本語にあまり慣れていない方だったようで、明確な答えは返ってこなかった。
 しかしここまで来たらもう買うしかない!もしまた使えない物だったらこんどこそ誰かにあげれば良いのだ。

 帰宅後リビングでその箱を手にした瞬間不安がピークに達した。箱の形がIphone用の物とほぼ同じだったからだ。
 これはまた違う物を買ってしまったかもしれない。そう思うと開封するのが怖くなった。
 少しの間躊躇っていたが、自室に入ると勇気を出して再び開封を試みた。

 箱を開けてみると、中のイヤフォンもやはりIphone用のやつと同じような形だった。
 やっぱりかーと思いながら、それでも和っかになっているイヤフォンの線を少しづつ解いていくとあった。隅の方に、イヤフォンジャックに差す細長い突起が…。

 ついに手に入れた!3度目のリベンジにして、ようやく自分が欲しいと思っていたイヤフォンを買うことができたのだ。
 いやあ、ここまでほんと長かったなあ。
 両耳がちゃんと聞こえるようになったおかげで、作業もとてもしやすくなった。今もその新しいイヤフォンで、画面読み上げソフトの音声を聞きながらこの記事を更新している。

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