第1回全国手話ダンス甲子園決勝大会レポート

2023年9月26日 23:10

　手話言語の国際DAYである２０２３年９月２３日（土）に産官学（特非）により「共生のまちづくり」を目指す福崎町において第1回の全国手話ダンス甲子園決勝大会が開催されました。
　この大会の出場チームは、８月１２日に倉敷市で開催された西日本大会、そして、９月２日に千葉市で開催された東日本大会のそれぞれの上位入賞チームに開催地である福崎町の地元チームを加えた、全１２チームにより開催されました。

◆西日本大会について
◆東日本大会について

手話言語条例の制定について

　冒頭、主催者である尾﨑𠮷晴福崎町長より、この手話ダンス甲子園開催にあたり、今後、福崎町はじめ市川町、神河町の神崎郡３町合同での「手話言語条例の制定」を推進するという宣言がありました。
　手話ダンス甲子園が行政や地域住民、地元のろうあ協会や地域事業所を繋げることに寄与し、今回の条例制定の機運醸成につながったとも言えます。
　特に理念条例の意味も含まれるこの言語条例が行政発ではなく、住民エリアから草の根的に輪を広げて制定への道を歩み始めたことは、共生社会の基盤を創りあげる新しいプロトタイプとなって、全国へ波及する可能性があります。

【手話ダンス甲子園〔出演順〕】
(1) Wish（地元枠）
(2) WHITE DOAL（地元枠）
(3) RAYVEL（神奈川県）【東日本大会３位】
(4) チームフクシン（地元枠）
(5) sign（広島）【西日本大会1位】
(6) ジュピター（千葉）【東日本大会４位】
(7) Miracrew（兵庫）【西日本大会２位】
(8) 舞舞CREW（東京）【東日本大会２位】
(9) ZIGGY.B（地元枠）【西日本大会３位※人数変更により地元枠で出場】
(10) 豊南smile（東京）【東日本大会1位】
(11) Silent voice（岡山）【西日本大会特別賞】
(12) YKB∞（地元枠）

出演12チーム紹介

〔手話ダンス甲子園紹介文〕
地元福崎小学校の2年生で結成された仲良しグループです。低学年と言う事もあり言う事を聞かなかったり友達同士で喧嘩もよくしたけれど、みんなで楽しく頑張って練習してきました。不慣れな手話もみんなで教え合いながら覚えたので是非応援お願いします。

〔手話ダンス甲子園紹介文〕
私たちは手話ダンス甲子園の地元、福崎町や加西市のダンススクールに通うメンバーで構成されたチームです。　生まれてきたこと、両親、友達、色々な出会いに対する感謝を私たちが未来に繋げられるように表現したいと思います。

〔手話ダンス甲子園紹介文〕
RAYVELは、国籍や年齢、性別、障がいの有無等様々な違いを超えたインクルーシブダンスチーム。「何かを理由に夢や挑戦することを諦めない、誰もが誰かのヒーロー」をコンセプトに、ダンスを通してこのメッセージを伝える為活動中。多様なメンバーだから生まれる唯一無二のパフォーマンスをお楽しみください！

〔手話ダンス甲子園紹介文〕
私たちは地元の企業である福伸電機株式会社に勤務する若手従業員のチームです。聴覚に障がいがあるモモカさんに毎日のように手話を習いながら、みんなでダンスも頑張って練習しました。この作品で仕事だけではない繋がりとキズナができた事を感謝して今日は精一杯踊りたいと思います。

〔手話ダンス甲子園紹介文〕
ストリートダンスと手話の融合で、音が聴こえる人、聴こえない人に「いい歌を届けよう」と、ダンス経験４０年のリーダーを中心に結成された広島代表の手話ダンスチーム。健聴者・ろう者・身体障がい者・知的障がい者・ダウン症などがあるユニバーサルなメンバーが集まり、楽曲の情緒や世界観を、手話や表情など全身を使ってアート表現していきますので、応援よろしくお願いします！

〔手話ダンス甲子園紹介文〕
私達ジュピターはダウン症の子どもたちとその家族が集まる会です。出会った時は少し驚かされるけど、すぐにその優しいオーラで虜にしていきます。
色々なことがゆっくり。豊かな個性を持っていて、それぞれのかっこいいが最高！ひとりひとりの気持ち、表現を何よりも大切にありのままでいられる場所、それがジュピターです☆

〔手話ダンス甲子園紹介文〕
手話ダンス甲子園開催地の福崎町とお隣り町、加西市の中学生5人で結成したミラクル―です。この手話ダンス甲子園に出てみないかと声をかけられ
私たちが出会って三か月が経ちました。「ろう」や「健聴」の垣根を越えて、今では仲良しの友達になれました。
まだまだ中学生で迷惑をかけると思いますが、私たちを生んでくれた両親に、「困ったときに支えてくれる友達ができたから、これからはあまり心配せずに、安心して見守ってね」と伝えたいです。

〔手話ダンス甲子園紹介文〕
私達は、聴者とろう者がいつも一緒に活動している、舞はんど舞らいふダンススタジオに通うメンバーです。
15年前から手話ダンスを創作し、各地の小学校やイベントで、手話を広める活動をしている先生たちと一緒に、これまでもたくさんの手話ダンスを踊ってきました。今日は聞こえないメンバーを1人含むこの8人で、熱い想いが届くよう心を込めて踊ります！☆

〔手話ダンス甲子園紹介文〕
手話ダンス甲子園決勝の開催地である地元福崎町より平均年齢64歳以上のゴールデンエイジ世代のシニアヒップホップダンサーが初めて手話ダンスに挑戦しました。
西日本大会は３位でしたが、仲間全員で全国大会に出場したいので、予選通過枠を返上して地元枠で出演しました。人生１００年時代、長く人生を歩んできた私たちにしかできない「つながり」や「きずな」を感じてください。

〔手話ダンス甲子園紹介文〕
皆さんこんにちは豊南Smileです！私達はろう者の方々に手話表現を学び、表情の練習やダンスに励み、全員で今日のために頑張ってきました！また、私達の高校では今年から女子はスカートとスラックスが選べるのですが、男子はなぜ選べないのだろうという疑問から衣装にスカートとズボンを取り入れました。ぜひお楽しみください！

〔手話ダンス甲子園紹介文〕
こんにちは。silent voiceです。難聴のメンバーも含め11人の中高生グループです。障害の有無に関わらず始めから出来ない！と決めつけないで出来るまで何度も繰り返し、全員で協力しながら助け合い今日まで来ました。手話にもダンスにも妥協せず良い作品を作る為努力したその結晶をこの舞台で発揮します。

〔手話ダンス甲子園紹介文〕
異なる部署から集まった、ほぼダンス・手話未経験の8人チーム。私達の取り組みに共感した、鹿児島の公務員が、楽曲提供。ダンス指導は加西市の公務員。日頃、スポットを浴びにくい私たちに、手話訳として手を差し伸べてくれた神崎ろうあ協会。
ろう者との交流を通じ、伝わらないことのもどかしさ、伝わったときのうれしさ。誰よりもいろんな人達と出会い、支えられてきたチームです。

手話ダンス甲子園審査基準

◆ダンスパフォーマンス（２５点）
◆芸術性（２５点）
◆多様性及び共生度（２５点）
◆伝達・共感性（２５点）
これらを合計して１００点満点で採点した上で、審査員協議して各入賞を決めます。

【審査員】
◆尾﨑𠮷晴さん
産官学（特非）連携で『共生のまちづくり』を目指す兵庫県神崎郡福崎町長

◆KIN さん
ダウン症の子どもを持つ加西市出身のプロダンサーで日本パラアート協会代表理事

◆石川伸さん
福崎町、市川町、神河町の３町合同で手話言語条例制定推進を進める神崎ろうあ協会の会長

◆吉冨さくらさん
広島県出身で松竹芸能の所属、テレビや映画に多数出演するマルチタレント
フジテレビ「奇跡体験!アンビリバボー」(２０２２年6/30）は吉冨さくらさんの家族の実話をもとにしたエピソードで大きな反響がありました。

◆RYOさん
元HIP HOP日本代表(日本チャンピオンチームメンバー）日本最多 cm出演ダンサー手話を使った活動では2021年度『社会貢献活動大賞」と二部門受賞する。応援歌『Story』の企画者

【入賞】
優勝
準優勝
第三位
【特別賞】
ダンスパフォーマンス賞
ダイバシティ賞
メッセージ賞

【結果発表】

優勝

singの取材模様【NHK岡山】⇒“おかやまハレ舞台” 手話ダンス甲子園｜NHK 岡山県のニュース

準優勝

第3位

ダンスパフォーマンス賞

ダイバシティ賞

メッセージ賞

手話ダンス甲子園スペシャルLIVE

　そして、第1回全国手話ダンス甲子園のスペシャルLIVEとしてET-KINGさんのライヴが開催されました。

ET-KING LIVE IN 手話ダンス甲子園（←映像はこちら）

　福崎町にて福伸電機株式会社から出場されたチームフクシンや地元ダンサーに楽曲提供された「この街の空」や「ギフト」ではチームメンバーだけでなく、障がいのある子どもたちのダンスチームも参加して、まさにパワフルなインクルージョンライヴとなりました。
ライブ後の楽屋には運営スタッフとチームフクシンのメンバーにあてた素敵なメッセージが。