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築20年の賃貸物件に「付加価値」をつけ 賃料を下げずに蘇らせる ~大家さんと一緒に考える賃貸物件の新しい形~

昨年からリノベーションで関わった、70戸ある大型の賃貸マンション「ロシュフォール本郷」。築20年の物件だったのですが、通常は、築年数を重ねると、クロスなど部屋中をキレイにして提供したとしても、賃料を下げなくてはいけないのが現実です。

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でも、それでは大家さんの収入が減るのはもちろんのこと、物件の価値も下がっていくばかりです。建築士としても、もったいないという思いもあり、今回は、物件そのものの魅力を生かして、さらに「付加価値」をつけて貸し出すといったことをご提案してみました。
(担当:ハンディハウスプロジェクト 中田製作所チーム)

ロシュフォール本郷は、横浜市栄区、JR根岸線 本郷台駅から徒歩10分ほどのところにあります。横浜へ電車で30分以内で出ることができ、自然が多く静かな住宅街でファミリー層が多い地域です。マンションからの長めも素晴らしく、晴れた日には富士山も眺められるほどの絶景です。

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今回、ハンディハウスプロジェクトにご依頼いただいたのは、2LDKの物件を4戸。そのうち一つは、キッチンつきのシェアスペースにしたいという大家さんのご希望がありました。シェアスペースでは、マンションの住人の方々がイベントを開くこともできますし、大家さんが住人の方向けのイベントも計画していました。このお部屋に、「そらには」という素敵な名前をつけられました。

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(写真)「そらには」オープニングイベント

「そらには」は、古い家具や材料を利用して温かみのあるスペースにしたいう大家さんのご希望があったため、家具選びも、中田製作所のメンバーと大家さんが一緒に選びに行きました。

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(写真)洗面所の台となっているのは、昔のミシンの台です。

この「そらには」が、住人どなたでも使える共有スペースという一つの付加価値となり、毎週末見学に訪れる方がいるほど問い合わせが増えたそうです。
そして、残りのお部屋は、都内からお引越しのご家族が一組と、20代から30代の一人暮らしの方2組が入ることになりました。

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コロナ禍でリモートワークが進んだため、都内へ通勤をする必要がなくなり、静かな郊外へ移住する人が増えていると聞いていましたが、まさにそういった住まい手さんで最近の住居環境の変化を実感しました。

住居となるお部屋のポイントは、「作りすぎず住まい手がカスタムできる余白を残す」
住む人が好みに合わせて家具などでカスタムできるお部屋をご提案してみました。

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例えば、キッチン。敢えてシステムキッチンを入れずに、棚などを自分好みで追加できるようにしました。

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また、壁一面を「有孔ボード」にしたため、ちょっとした棚を作ったり、画鋲などもさせるため、賃貸住宅の制約を少しでも軽減できるようにしました。
賃貸でも住空間を自分好みに作り変え、毎日を楽しむことができたら。私たちは、家づくりをもっとたくさんの人に楽しんでほしいという思いで活動しています。

賃貸住宅の大家さん、築年数を重ねた物件でお困りの方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。大家さんの意向に沿った形で、物件に「付加価値」をつけて蘇らせます。

問い合わせはこちら https://handihouse.jp/contact/

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