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LDの僕はホームスクールで育ったよ

If you want to read the English version, see the article which has the same photo.

こんにちは^^
私は発達障害をお持ちの方にマンツーマン英会話レッスンを提供する仕事をしています。
今日は、LD(ディスレクシア)のアメリカ人で、ホームスクールで育った経験のある友人ベンさんにインタビューして、記事にしてみました!

ホームスクーリングとは、学校に通うのではなく在宅で主に保護者などから教育を受けることです。

ディスレクシアとは、文字を読んだり書いたりすることに顕著な困難を示す発達障害の一種です。

1.ホームスクールを選択して、良かったことは?

なんと言っても個に応じた教育が受けられたことだね!
例えば、木のブロックに触れることが好きなら、ブロックを並べる中で数の概念を学んだりできるよ。
そういう教育は、学校では難しいんじゃないかな。
あとは、わからないことにたっぷり時間を使えるよ。
学校では時間配分がきまっているけど、ホームスクールには、そういう制限はないよ。
僕の兄弟にはADHDの傾向があるんだけど、家では安全な範囲で動くことが許可されていたから、のびのび学んでいたよ。
学校では、薬を内服する方法が一般的だと思う。

2. 学校教育を経験したいなって感じたことはある?

数回あったね。
もっとたくさんの人と会ってみたいと思ったり、学校がどういうところなのか知りたいって思った。
でも、修学旅行は学校のプログラムに参加したから、少し知ることができたよ。
基本的にホームスクールに満足だね。

3. ディスレクシアがあることと、ホームスクールを選択したことには、関連がある?

それは、たぶんない(笑)。
障害があるって診断される前からホームスクールだったからね。
それに僕の兄姉もホームスクールだったんだよ。
たぶん学校教育が最善とは限らないって両親は考えたんだと思う。
実は僕は7人兄弟だから、学費っていう理由もあったと思うよ。

4. 将来の夢はなに? 夢に向かって、どんな努力をしている?

実は爬虫類の研究をしてみたいんだ。
特に絶滅危惧種の研究に興味がある。
ただ、僕の大学は学費が高くて、ちょっとその道は辞めて日本で生活してみたいって今は考えてる。
日本に来て、日本の魅力を知ってしまったんだ(笑)。
ただ、日本に戻ってくるなら教育学を学ぶ必要がありそうだから、仕事をして学費を稼がないといけない。
7人兄弟だから両親には頼ることができない。
まずは、今行っている大学を卒業して何らかの仕事をして、そのあと教育の資格を取って日本に戻る計画だね。

5. もし子どもが産まれたら、ホームスクールを実践してみたい?

やってみたいけど、それは誰と結婚するかにもよる(笑)。
まずはホームスクールをやってみて、子どもが自分の意思で学校に行くっていうなら、喜んで応援するよ。

6. 日本語を勉強しているとき、ディスレクシアは障壁になっていると感じる?

それはあるだろうね。
読み書きは特に難しい。
ひらがな、カタカナ、漢字の3種類の文字があるし。
あとは話の中で、相手が何を言っているのか途中で忘れてしまうときがあるんだ。
なので、忍耐強い人じゃないと僕に教えるのは難しいと思う。
そういう点で、キミは合格(笑)。
言ったことを改めて書いてもらったり、逆に書いたことを言ってもらうことで、音と文字をリンクさせるような支援をしてくれると嬉しいな。

7. 日本語と英語以外に、学んでみたい言語ってあるの? 理由も教えて。

スペイン語かな。
父がスペイン出身なんだ。
住んでいる場所もメキシコとの境に比較的近いから、スペイン語がわかったら色々な人とコミュニケーションができそうだなあって。

8. 日本に対して、どんな印象を持っている?

僕は、日本を愛している。
美しい自然があって、街も美しく掃除されていて驚いたよ。
人々は、皆優しくて我慢強い。
僕の日本語を怒らないで最後まで聴いてくれる。
礼儀正しくて、他人に関心を持っていて、尊敬し合っていて素晴らしい。
いつも助け合っている様子が伝わってくる。
笑顔に溢れていると思うよ。

9. ディスレクシアを持って生まれて、良かったと感じることは?

世界を色々な角度から見られるし、我慢ができることかな。
励まし合うことが得意だし。
他の人々の立場に立って考えることができる。
細かいこともキャッチできるし、細かい情報を逃さないように、しっかり聞くことができると思う。
社会的弱者と呼ばれる人々を理解して、助けてあげることができる。

10. ディスレクシアを持っている日本の若者に、メッセージをどうぞ。

キミの気持ち、わかるよ。
キミは特別で大切な存在だよ。
諦めなければ必ずできる日が来るよ。
僕が日本語を勉強できるってことは、キミも英語を勉強できるってこと。
キミは愛される存在だから、できるって信じて前を向いて生きよう!

終わりに。

ベンさんは、障害を持ちながら、日本語の勉強を熱心に頑張っていて、私はそれに驚きを隠せません。
彼のように、文字を読んだり書いたりすることが苦手な人間に生まれていたら、私は外国語を勉強することを諦めたかもしれません。
彼のモチベーションや人柄に、勇気づけられました。
ベン、ありがとう^^

フォロワーさんからのおまけの質問:コミュニケーションをとるとき、どんな能力に頼っていると感じる?

リスニングとスピーキングだね、もちろん。

※私もベンと同意見で、彼はリスニングとスピーキングのスキルに長けていると感じます。彼は日本語は初心者ですが、聞いたことを発音するのが、ものすごく上手です。

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