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漆器は芸術なのか?


県展に初挑戦

6月23日から7月2日の期間に開催された、「第77回福島県美術展覧会(県展)」に先日行ってきました。

会場は、福島市「とうほう・みんなの文化センター」。

福島市文化センター

実は、今回、私も作品を出品していました。
県展に出すのは今回が初めてです。

入賞はしませんでしたが、
入選はすることができ、無事に会場に展示されることとなりました。
せっかく入選したのだから、会場に見に行かなくては!

「私の作品はどんな感じに陳列されてるのかなぁ」
とか、
「他にどんな方が出品してるのかなぁ」
とか、
行く前に色々と思いを巡らせていました。
(あ、ちなみに参加した部門は、「工芸美術」です。この部門は、漆器ばかりではなく、陶器、織物、木工、ガラス、七宝、など多種多様な作品がエントリーされます。つまり、色んなジャンルにライバルがいる!)

また、県展の期間中には「出品者研修会」という、審査員の方が作品についての批評をしてくれる催しがあるとのこと。
せっかくなので、私はその日を狙って研修会のある6月25日に行くことにしました。

福島市へ

県展会場のある福島市。
高速バスを使うと会津若松市から福島市への移動時間はおよそ1時間半ほどです。
しかし、バスの本数はそれほど多くはなく、夕刻前に帰ってくるためには、福島市を13時に出ないといけないというタイトなスケジュール。
また、福島駅から文化センターまでもちょっと距離があり(循環バスで20分弱、さらにバス停から徒歩5分以上)、昼食を摂ることを考えると、会場にいられる時間は30分もありません。
※一応、電車を利用しての移動もありますが、福島⇔郡山間はともかく、郡山⇔会津若松間の連絡があまりよろしくない。
マイカー持ってる人は普通、それで移動すると思います。
余談ですが、福島市の循環バス、100円均一でリーズナブルに感じました。
会津若松の循環バス「あかべぇ」や「ハイカラさん」は210円です。

さて、30分でどうやって見て回る?

受付で県展のパンフレットをもらって、自分の作品を見て速攻で移動すればなんとかなるかな?
「出品者研修会」には出られないけど、仕方ないかなぁ…。

・・・・・・・・!!

しかし、会場について作品群を目の当たりにすると、考えは一変。
「洋画」「日本画」「彫塑」「工芸」「書」
何百という作品群が入り口から見えて圧倒されました。

(これだけの力作を全部見ないでどうするの?)

別に夕方までに帰宅しなくてもいいじゃないか。
今日は芸術に浸る日だ(そういうことにしよう)。

まあ、
冷静に考えて、往復3時間以上かけて30分でとんぼ返りというのも勿体ない話である。

※結局、帰りは新幹線と在来線を使って無事に17時前に帰宅できました。

出品者研修会

研修会は13時30分から。一通り、サラッと作品を見て回った後、
ゆっくり昼食を摂ってから開始までの時間を待つことにします。

とはいえ、文化センターの周辺には食事処がなく、県展の係の人に聞いても
「コンビニで買ってその辺で食べてます」、と言われる始末。
さすがにコンビニ飯はなぁ…と思い、ちょっと歩いて、「音楽堂(古関裕而記念館)」の先のラーメン屋を探して入りました。

こういう文化的施設の周辺に食事処がないというのはどうなんだ?

と思いましたが、
まあ、会津の文化センターの近くも食べるところないし…。
同じようなもんか。

さて、研修会の始まり。
各部門ごとに審査員の先生方が解説(?)をしてくれるわけですが、
私は当然「工芸美術」部門の研修会に参加。

今回、工芸美術部門で受賞された作品を中心に解説が行われました。

出品者研修会の様子(工芸美術)

受賞された作品は、立体的なアート作品が多かったです。

私の出品したのは、平坦な丸盆だったので、入賞に関しては、箸にも棒にも掛からなかった、ということでしょうかね…。


私としては、自分の作品はどう評価されたのか?
受賞するためには何が足りないのか?
等を聞いてみたかったので、静かに順番を待っていました。

そして、審査員の中に漆担当の方がいらっしゃったので、その方がお手すきになった時を待ち、話しかけました。

会津展でも同じようなことを言われたのですが、
やはり大きさ(大きい方が評価が高い)
そして形状(丸い形はおとなしく、評価されにくい)
綺麗ではあるのだけれど、芸術品として高評価には結びつきにくい、と。
(いうようなことを言われた気がする)

今回の工芸美術作品の中には、
幅1mほどの大きいオブジェで受賞されてる作品がありました。
発泡スチロールで自在に形づくりをして、全体に漆を塗った作品でした。

こういうダイナミックな作品じゃないと評価されないのでしょうか…?

うーん、、、
色々と考えてしまいます。
まず、大きな作品を作るには大量の漆を消費します。
(漆は高級品です。)
漆を乾燥させるにも広いスペースが必要です。(保管も大変)
そして、オブジェ以外の用途は何もなし。
つまり、受賞しなかった場合、ただのガラクタです。

そう考えると、日常使いで潰しが効く「器」を作るのがどうしても無難に思えてしまいます。
過去にはお皿で美術大賞を取った例もあるのですが…。

漆器って「芸術品」ですか?
それとも普段使いの「器」ですか?

どっちを向いて進むべき?

今回の県展では入賞できませんでしたが、今後も作品は作り続けて世に出していきたいと思ってはいます。
私は承認欲求が強いので(笑)、いつかは賞を取りたい。

じゃあ、入賞するために、アートに特化した作品を作る?

いやいや、
芸術系の学校も出てないし、芸術センスの欠片もないのにどうするのよ?

独りよがりの品物作ったって評価されなければ売れもしないし。


収入を得ていくためには、言われた通りに作る受注生産を頑張るべきか?

いやいや、
そもそも安定した受注がくるとは限らないし、
他人に言われたこと“だけ”を作るのはやはり苦痛。

8年目に突入して今尚、自分の方向性は定まらないのでした。


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