夜のキッチン
グリルでナスをじっくりと焼いて、丁寧に丁寧に皮をむく。
ぷっくりとしたスナップエンドウの筋を一本一本とっていく。
ミニトマトを一つ一つ湯むきする。
キュウリの皮を全部むいて、下茹でする。
子どもたちが寝た後に、エプロンをつけて、キッチンの小さな灯りのした、そういった作業を黙々とこなす。
黙々、黙々。
雑音の無い夜。
白だしと、みりんとか醤油とか、いい感じの味にしただし汁で、黙々と作業した夏野菜たちを煮る。さっとでいい。
イメージは「夏野菜の冷やし煮物」。
イメージはある。
そのイメージを、手元の作業で実態にする。
黙々、黙々。
悪くないよ、夜のキッチン。
ガラスの保存容器にいれた、夏野菜と煮汁。
美しくって、にんまり。
冷蔵庫に大切にしまった。
夜が明ければ日曜が来る。
雨予報の日曜に、楽しみを送る。
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