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蒸籠のススメ

最近蒸籠にはまっている。

蒸籠(せいろ)
中華料理などでよくみる、木でできた蒸し器。

姉の私物で、わたしは同居を始めてから初めて使った。

これがまたいいのだ。
二段構成の蒸籠のそれぞれに蒸したいものをぽんぽんいれ、あとは適当な鍋にお湯を沸かした上に置いておくだけ。

入れるものはなんでもいい。
ジャガイモ、かぼちゃ、さつまいもなどの根菜類はつややかに甘くなる。
パサつきがちな鶏むね肉もジューシーに仕上がる。
キャベツなんて、別の野菜かと思うほど味が変わるのだ。

しかもなお良いのが、蒸籠に入れたらあとはほったらかしでいいということ。
メインを蒸籠で蒸し、その間に味噌汁を作り、ご飯をよそえば立派な夕飯の完成だ。
素材の味を閉じ込める「蒸す」という調理法に夢中になった。

さて、そんな今日は初めて蒸しご飯に挑戦した。
炊き立てのご飯に、たたいたはちみつ梅と鰹節とチーズを加えて混ぜ、クッキングシートを引いた蒸籠に入れる。
その上に塩鮭を4切れ敷き詰めるようにのせる。

もう一段にはかぼちゃとじゃがいもを入れ、二段重ねて蒸し始める。

その間にキャベツとエノキと小松菜の味噌汁を温めつつ、調理器具を洗う。
調理器具といってもご飯を混ぜたボウルと鮭のタッパー、まな板と包丁くらいしかない。

10分ほど強火で蒸したら出来上がり。
火からおろし、蒸籠の蓋をパカっととあけると、チーズと鮭の香りがふわりと広がった。


下の段のジャガイモとカボチャも艶やかに蒸しあがっている。

あとは盛り付けるだけ。


作業時間実質10分の夕飯の完成である。

姉は不在だったので、子どもたちと3人で手を合わせる。

いただきまーす!

「これめっちゃ美味しい!」
長男のことばに心の中でガッツポーズ。
私も一口食べる。
「うまっ」
まだ食べていない次男が釣られていう。
「おいちいねぇ!」

蒸したことでご飯がさらにふっくらとし、そこに鮭の油が適度に染み込み、チーズと相まって深い味わいに。
ほんのり香る梅と鰹節の風味もよく合っている。
ご飯だけでいくらでも食べられそう。
鮭は蒸したことでふっくらジューシーに。
ちなみに私は鮭のの皮をこよなく愛しているのだが、蒸すと皮の脂がとろりとまろやかになってさらに美味しくなる。

用事を済ませた姉が帰ってきて、食卓に加わった。
一口食べて、「感動的にうまいわ」。

すばらしい、すばらしい。
蒸籠は素晴らしい。
わたしは混ぜてのせただけなのに、ご馳走にしてくれる蒸籠は素晴らしい。

子どもたちがもりもりと食べてくれる姿は何よりも好きだ。
楽しい食卓を囲めるのは幸せだ。

料理が得意ではない私は、手の込んだ料理なんて作れないけど、蒸籠があれば素材そのものの味を最大限に楽しめる。
それが1番美味しいのかもしれない。

なんでもない日の食卓を幸せにしてくれる蒸籠に、わたしはまだまだ夢中になりそうだ。

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