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ファンとは違う、細かすぎるロイヤルカスタマーの話

以前、会社のコラムでロイヤルカスタマーについて書きました。
▼コラム:ロイヤルカスタマーが重視される3つの理由と維持の方法

「ロイヤルカスタマー」はその名の通り、ロイヤルティ(忠誠心・信頼)が高いお客様のこと。
企業によっては、「上位顧客」「優良顧客」などということもありますね。

企業にとって「ロイヤルティが高い」とはどういうことなのか、コラムには書ききれなかった、私が大事と思う考え方について書こうと思います。
実践的な内容というよりは、これからロイヤルカスタマーを増やしていきたい、というマーケティング担当の方の思考の整理になればうれしいです。

ファンとロイヤルカスタマーは違う

「自社のファンを増やしていこう!」というスローガンを見かけます。
おそらく「自社に貢献してくれるロイヤルカスタマーを増やしたい」ということだと思うのですが、私はファンとロイヤルカスタマーは厳密には違うと思っています。

ファンは、あくまで「その企業・ブランドが好き」という状態のことであり、必ずしも購入しているとは限りません。
いつか買いたい憧れのブランド、として、SNSをフォローしてくれるファンもいますよね。
ファンは購入こそしていませんが、商品・サービスのポジティブな情報を拡散してくれたり、誰かにおススメしてくれる可能性が高いかもしれません。

一方、ロイヤルカスタマーは、「その企業・ブランドが好きで、かつ買ってくれている人」です。
カスタマー(顧客)がついているので、購入が前提となり、自社の売上を支えてくれる存在です。

ロイヤルティには2種類あります。
心理的ロイヤルティ:企業やブランド・商品に対する好意的な感情
② 行動的ロイヤルティ:企業に対する直接的な貢献(購入金額、頻度、継続取引年数など)

ファンとロイヤルカスタマー、両方に共通しているのが①ですね。
そしてロイヤルカスタマーは、①と②の両方を兼ね備えている人になります。もし、ロイヤルカスタマーの定義が②だけだったとしたら、単に安いから・便利だから購入を続けている可能性があり、他社にいい商品があれば簡単に流れてしまう可能性があるからです。

ファンとの違い、「細かすぎるよ」とツッコミが入りそうですが・・・
ファンもロイヤルカスタマーも、自社を信頼し好意を持ってくれる人、であることに変わりはありませんのでどちらも大事にしたい人ですね。

マーケティングのデータベースはロイヤルティを作るためにある

では、自社を信頼し好意を持ってもらうには、どうしたらいいでしょうか?

そこで大事なのが、マーケティングのデータベースです。
コロナ対策やDX化が不可避とされる今、多くの企業がデータベースをマーケティングに活用しています。
購買データやトラッキングデータはもちろん、外部ソースからの行動データ収集・データ統合に力を入れている企業が多くなっています。そして、企業はそのデータをフル活用して、マーケティング施策に生かしています。

視点を変えて、顧客の立場になるとどうでしょうか?
例えば、顧客がメルマガ登録をするのは、自分が欲しい情報を入手するためですね。
企業はその情報を使って販促をかける訳ですが、企業の都合のいい情報だけを送り続ければ、顧客は自分が望む情報が来ないので、情報をシャットアウトしてしまうかもしれません。(メルマガのオプトアウト、離反)

マーケティングのデータベースは、企業がお客様を知って販促しやすくするためにあるのではなく、顧客一人一人にとって適した情報を発信するために使う、という意識が大事です。
企業の情報発信に対する顧客のレスポンスが購入やサイト閲覧であり、いわば「企業と顧客が対話している」状態です。対話を生むには、企業からの一方通行ではなく、返事がもらえるように相手のことをよく知ることが必要。知るためにデータベースを活用する。
自分が欲しい情報をくれる、自分のことをわかってくれていると思える企業には、信頼や愛着が湧き、ロイヤルティが高まっていくと思います。

▼顧客のためにマーケティングデータを使って、顧客ロイヤルティを高めていくイメージ(アパレル通販会社の場合)

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マーケティングのデータベースはロイヤルティを作るためにある、ということを意識しましょう。

カスタマーロイヤルティサークルという考え方

データベースを使って顧客との対話を生み出し、ロイヤルティを高めていく考え方として、「カスタマーロイヤルティサークル」を紹介します。

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売上額で顧客ステージを分けてステップを表す図はよくありますが、これは顧客ロイヤルティを軸にステップを表していることが特徴的です。
STEPが上がるごとに、顧客とのつながりが強固になることがわかります。

実際、顧客ロイヤルティを定量的には測るのは難しいですが、施策設計の際には、どこステップの顧客にメッセージを届けるのか?も意識することで、対話のヒントがあると思います。

まとめ

私が思う、顧客ロイヤルティを高めるポイントとしては3つです。
・①心理的ロイヤルティと②行動的ロイヤルティの両方を高めていこう
・マーケティングのデータベースを顧客のために使おう
・カスタマーロイヤルティサークルを意識しよう

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

今回ご紹介した、データベースの在り方と「カスタマーロイヤルティサークル」は、マーケティングeラーニング講座の中で紹介されているもので、私自身がCRM戦略を考える時に大事にしている考え方です。
「で、どうやって顧客ロイヤルティを高めるの?」という疑問が湧きそうですが、具体的な顧客とのコミュニケーションの取り方は、別の機会に事例を交えてご紹介していこうと思います。


<本記事の引用元>
マーケティング先進国であるアメリカの全米広告主協会(ANA)が提供している、フュージョン株式会社のマーケティングeラーニング講座DCFM (DMA Certified Fundamental Marketer)より
▼「データベースマーケティング」サンプル動画(約4分)

フュージョン株式会社のことをもっと知りたい!と思っていただけた方は、私達マーケティングチームで運用している公式コラムもぜひ読んでみてくださいね。


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