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10/30 数え切れないありがとうを

朝6時半

今日も快晴


家を出発して車で一時間山道を走る

この美しすぎる栗駒の山道も、田んぼでたむろする白鳥やガンも、

伊豆沼やほんにょの姿も、少しずつ覚え、もうすっかり見慣れた

観光でもない、「珍しい」でもない、そうなった瞬間、とてつもない地域や地元の人への愛着と、幸福で満ち足りる

この旅であといくつ、見慣れた風景を作れるだろう



さて、着いたのは、山の散策道の入り口

今日はジオガイドのお手伝い、ということで7㎞ハイキングでした

気合いを入れて出発!


それはそれは、もう今日しかないのでは、というくらいにぴったりの天気と、四時間一生続いた息を呑む絶景

私たちに、旅の神様が味方してくれているようです


ガイドさんの説明のおかげで歩くのが倍楽しい

ブナ ミズナラ カエデ カラマツ ホオノキ、、

たくさんの木と、その葉っぱを覚えました

キノコが生えていたり、歴史の話を聴いたり面白かったなあ


途中、世界谷地という湿原を通りました

栗駒山が一望できる絶景の中、赤い水苔の生える湿原の真ん中を歩く

夏には高原植物たちが花を咲かせるそうです

黄金色の湿原もとても美しかった

人間の手を入れる保護といれない保護、二種類どっちも実践しているという話がとても素敵だなと思いました



目的の往復地点まで着くとみんなで昨日握ったおにぎりを食べました

山と言ったらおにぎりだよね

スタッフさんたちも、喜んで食べてくれて嬉しかった


あとは下って帰るだけ~、と、思っていたら

出発点まで帰ってきて、車で少し移動してさらに次の場所へ

本来は一般の人は入れないんだけど、申請したんだよ

と、連れてきてもらったのは、地滑り現場の崖の上

昨日遠くの公園から見た崖の、そのてっぺんに行くというのです

市役所とジオパークスタッフさんの力、すげえ 

ほんとうに最後の最後まで、ありがたい限りだね


崖の上からは、地滑りでここにあった山がどれほど移動したのか、その想像を絶する移動距離に心が、ずきっとした

それでも泣きたくなったのは、悲惨だからではなくて

その移動した先の崩れた崖のような山にも

苔が生え、小さな木が生え、それが少しずつ大きくなっているのがわかって

大地が再生していく姿を目の前で見ると、自分の存在がちいさくちいさく、でも確かに生かされ、生きていることを感じるからです


世界谷地でも同じような感覚に至りました

植物の育ちにくい泥炭の地でも、苔が生え、土となり、木が生える話



「ジオ」というのは

小さな猫の呼吸に触れて自分の生きている、という実感をうけるように

あまりに大きすぎるその大地や自然が

長い長い年月をかけて作られ、壊れ、そしてまた美しさを取り戻し、

地球まるごと生き物のように生きている

そのこと自体が、私たちに「生きている」という存在感を強く実感させ、言葉にならない力を与えてくれるのかもしれません


私はその、「自分の存在」というものの確信を、ずっとどこかで求め続けている

自分の存在がわからなくて、孤独で不安で潰されそうになったときは空をよく見上げるのですが

この五日間、不思議と空を見上げることは少なかった


それだけ不安になって自然と繋がっている感覚を確かめるための行為が必要なかったということは、

いかにこの町で、毎日「生きている」と実感し続けているのかの証です


ジオのもつものはすごい

そして町中がジオパークなこのまちは、本当に本当にちから強く、美しい



さて、大運動を終え、少し早めの夜ご飯

今日の夜行であやなは帰ってしまうので、少し早めの最後の晩餐

けいさんとだいさんいちおしの居酒屋を、貸し切ってくれていました


お店に着くと、くりさん(これまた面白いフレンドリーな役員さん)が待っていて

しばらくするとなんとミスタージオパーク佐藤さんと、4日間一緒だったかほりさんが来てくれた!

局長がみんなに最後会えなくて残念がってたよ、と、たくさんお土産も。なんと非売品のねじりほんにょくんのぬいぐるみも!!めちゃくちゃ嬉しい。。

かさばるけどこの先一緒に旅をします、意地でも。




移住者さんのお店を貸切

奥さんがタイの方で、グリーンカレーや、タイの焼き鳥(焼豚)も食べた(めちゃくちゃ美味しかった、泣)

あとは美味しい生牡蠣も!さすが宮城、最強だぁ


美味しいごはんとお酒が進みます

けいさんは今日も嬉しそうにビールのスピードをあげた

あんなプランもしたい、こんな企画もしたい、。やりたい事がどんどんふえるんだよなぁと熱く語るけいさんと、どこまでもついて行くぞと盛り上がるくりさんだいさん


何度も何度も、君たちが来てくれて本当によかったと、またいつでも帰ってこい!と、真っ直ぐ言葉をくれた

そして、けいさんは

「はなちゃんがいつか俺にぴったりの作品を贈ってくれよ」

そう言って、お金まで渡してくれました

びっくりして、ありがとうございます以外何も言えなかった


少しでも肩書きで人を判断した初日の自分を恥じました

お金をもらったからでは無い
もらったものは、それだけではなかった

学生なのか芸術家なのか旅人なのか
ふわふわとして何者にもなりきれない私でも
けいさんは、面白がって選んでくれた

この町、ここで出会った人、一緒に暮らせた皆との出会いも、すべてけいさんのおかげだった

ほかのスタッフの大人たちも、かっこよかったり、ツンデレだったり、とにかく大好きでまた会いたい人達になりました


ありがとうじゃ、足りないです
申し訳ないと思うのはきっと違うから
恩が巡って巡ってけいさんにも届くように
私はさらに努力を惜しんではいけないのだと思います



明日でお別れ
思えばたったの6日だった
それでも、愛すべき土地と人に出会い、昨日が遠い昔のように感じるくらい、濃い日々をすごしました

とてもとても寂しいです
栗原のみんなのことが、本当に大好きだから


まとめは明日に回しますね

長々お付き合いいただきありがとう

おやすみね、また、明日。


 




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