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【海外レース参戦記】ULTRA TRAIL OF TAIWAN100 Vol.2

関東近郊では雪。
外出の自粛。
とこれでもかというほどに追い討ちをかけるかの様に色々なことが重なり合っていますが。
こんな時こそ過去の自分を振り返ってみる。

2月に出場した台湾のウルトラトレイルレースの参戦記レポートVol.2をお届けします。
Vol.1もぜひご覧ください。


これが完走率の低さの原因?!


雨が強くなってきたそんな中スタート!
一斉にスタートするが最初からどのみちに行ったらいいのか...全くマーキングがない!これが完走率の低い原因か。
携帯の充電を節約するために集団に付いていく作戦でしばらくは進む様にしよう。

しばらく林道走った後、大好きなジャングルトレイル。
前日から降った雨のせいでいきなりのどろんこ祭り。

地図上では景色の素晴らしい稜線に出ているはずだが、雨と霧で一寸先は闇状態。
何も見えず、ただ豪雨の音と強くなる横殴りの風邪の音だけ。
次の階段も見えない最悪のコンディションの中慎重に一歩づつ。

まずは夜が明けるのを待つ。

夜が明けた。
一歩踏み出すたびに足を取られる、本当に楽しい。

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到着した第一エイドではあったかい野菜スープが!
小規模なレースでもエイド店頭等で料理してくれるボランティアスタッフがいることに感謝でした。

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サー走ります!
とすでにこの時点で,,,

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どろんこでございます。
もうこうなってしまえば転んでも手をついても怖いもの無し。

あと120km。
体もつのか?足は持つのか?メンタルがどうなるのか?
不安とワクワクで次のエイドへ。

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雨は止まない。
そしてこのあたりから足が濡れて嫌な感じがしていた。
デポまで後60km...

大盛りラーメンからの復活!?

2回目の夜。
体はまだ大丈夫。
ただ、足裏だけがきになる。

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エイドへ到着後出されたのは大盛りのラーメンw
ペロリといただき無事に出発。

デポまであと40km...
持つか?

初めての林道。
今思えば然りと走れたのはここだけ。
普段は大嫌いな林道もこの時ばかりは楽しく走れた。

雨のトレイルレースの洗礼を浴びて足の裏の摩擦が気になりながらも無理のない様に進む。
そして、また夜が明けるのを待つ。

その繰り返し。
出来るだけ一人にならない様に。台湾出身ランナーと一緒に。
深く深呼吸してペースをコントロールして適度な間隔を保つ。


雨とジャングルトレイルの洗礼

ここまでは完璧。

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エイドに到着。
この足裏以外は全然問題なし。
この時点で4位2,3位から遅れて数分。

楽しく雑談しながら準備をするもこの足のせいで走ることがやっと。
足が接地するたびに痛みが増して頭を突き抜ける痛みが増えてくる。

後20kmでデポバッグ。
そこまではなんとか。

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次へ。
ここからがまた難しい。
観光地である十份から4kmの階段を登っていく。

辛抱。

足が痛い。
でも足が止まらない。
もう諦めろそんな声がぐちゃぐちゃのトレイルから聞こえてくる。


転落

いや絶対辞めない。
集中はしていた........


でも。

一瞬集中力を欠いたその時。



落ちた。
足を滑らせ掴まる物もなく2mくらい藪の中に転落。
やばいと思って足を無意識のうちに広げたみたいでなんとか止まった。


けど、顔、首、両足の内腿には植物の棘が刺さっていて体の動かすことができない。

やってしまった。

時間をかけて体を起こすも。
全身に激痛。

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ちょっとだけ。
こんな傷が首にも。

それでも登り続けてやっと。
山頂へ。

台湾に山にしてはいい景色。
でも、これだけきついところ登って本当に標高150mですか?????笑
もう嫌になります。

色々なトラブルがありながらもやっとついたのは。
110km地点のデポエリア。
そしてまさかのエイドはセブンイレブン!

大会が負担するからなんでも好きなものを買っていいよとのこと!!!
なんだそれは!!!!
新しい!!!!!!!

でも、足はこんな感じ。
光沢感が出てきて痛みも倍増。

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真っ白になっているのは小指です。
ゴールまで後50km。


ゾーン突入からの賭け

いけるぞいけるぞ!と送り出されるも関門まで2時間。
あんまり貯金がない。

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楽しみだけど痛い。
そして時間との戦い。

ここから先、しばらくは記憶がない。
レース中盤ZONEに入ったのか。
永遠と続く登り。
息も乱れず足も動く。この時何を考えていたのかも思い出せない。

ただ何事もなく登り続けていたような感覚だけ。
この時がもしかしたらランナーズハイ。
の状態だったのかもしれない。


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上から見る景色は最高だった。
登りきった後この景色を見ている時だけは疲れも痛みもどっかに行ったみたいだった。


この後に襲いくる睡魔と幻聴?
頭がぼーっとしてGPSで道を見ているはずなのに逆方向に進んでいたり、判断能力がどんどん失われていく。

ここはどこなんだろうか。
スマホをくるくると回して方向を見つけようとするけどうまくいかない。

歩き出すと脳天に響くほどの足の痛み。
次のエイドまでは10km。

関門まで1時間半。
この足の痛みでいけるのか?

このペースでは無理かもしれない。
賭けをしてみる。

20分だけ寝てみよう。
靴下を脱いでベンチに横になる。

この短時間の睡眠に賭けてみた。


20分後。
アラーム音ですっきり目を覚まして頭はすっきり気分も良くなる。

ただ、足をついた瞬間。

さっきよりも強い脳天に響く痛み。
残り10km制限時間まで1時間。
今の足の状態やコースの難易度をちゃんと考えた...


悔しいよりも上回ったもの


オーガナイザーのビルにメッセンジャーで連絡した。

楽しかった130km。
今までの練習やコンディショニングも全部。
思い出した。
これまで走ってきたコースも全部振り返った。

10kmを2時間半かけて歩いた。
スマホに届いたメッセージに一つ一つ返事をしながら。

ボランティアスタッフと合流して一言目に発したのは
”ありがとう”と”たのしかった”

の言葉。
自分でも驚いたが完走はできなくても100マイルという短い人生を約40時間過ごして出てきた”楽しかった”という言葉。

自分でもホッとした。
悔しいよりも楽しいが上回った今回の100マイルレースは上出来です。


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今回のレースで完走したのは3名!
おめでとう。
ゴールで食べたお弁当。美味しかったなー。







あー。でもやっぱりゴールしたかった。












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