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好きなものを撮ればいいっていうけれど

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趣味として写真を撮り始める人には大きく二通りのパターンがあるかもしれません。

一つ目はもともと好きな何かがあってそれを写真に残しておきたい、というパターン。たとえば、山登りが好きな人が、「せっかく色々な山に登るのだから、そこで見る景色を写真に残したい」とか、レース観戦が好きな人が、「レース写真も撮ってみたい」というような形。
このパターンの人は、「なぜカメラを買ったのですか?」と聞かれれば、「○○が好きで、それを写真に撮りたかったのです」と答えるでしょう。
このパターンの人はきっと撮りたいものが見つからずに悩むと言うことは当面なさそうですね。

二つ目は、写真、またはカメラそのものに興味がでて、写真を趣味にしてみようと思うパターン。多くの場合は、明確な被写体イメージがあるというよりは、何かいろいろ撮ったら楽しそうという理由で写真を始めるというもの。
このパターンの人は「なぜカメラを買ったのですか?」と聞かれたときの答えはやや漠然としたものになるかもしれません。「いろいろ撮ってみたくて」とか、「写真って楽しそうじゃないですか」などと答えるかもしれません(あくまでも想像ですが)。

別に撮りたいものが明確でないといけないわけでも、写真を始めて後悔するわけでもありません。
ただ、漠然と「いろいろ撮れそう」という気持ちは意外にも早く「何を撮ろう?」に変わるかもしれません。
運良く、カメラを買ってなんとなくいろいろ撮っているうちに、「これを撮るのが楽しい!」って見つかる人もいるでしょう。

私自身、写真クラブなどの顧問をさせていただいたり、メーカーさんの写真教室の講師などをさせていただくことがありますが、そういうった場でわりと多く聞かれる声が、「風景を撮ったり、星を撮ったり、スナップを撮ったり、ポートレートもやってみたりしたけど、本当に自分が撮りたいものが見つからないんですよねえ」というようなもの。
「とりあえず、仲間がいるから一緒に風景を撮りに行ったりしていますけど、自分が撮りたいのは風景なのかなあって思って、今回はスナップ講座に出てみることにしました」という話なんかもあったりします。

写真は好きなものを撮るのが一番楽しいと思いますし、一番一生懸命になれて、上達も早いと思います。
ですので、「なにを撮ったらいいか迷っている」という問いには、多くの人が、「自分が本当に好きと思えるもの、撮りたいと思えるものを撮るのがいいと思いますよ」って答えるわけです。
でも、本当に好きなもの、撮りたいものがある人はきっとそんな質問しないんですよねw
それが分からないから迷ってる。

1人沖縄旅で撮影が終わったあとのリラックスタイム。
お酒を撮りたいかと言われると別にそういうわけじゃないんだけどw



たとえば、お酒が大好きな人でも、お酒のボトルが撮りたいのかというとそういうことでもない。じゃ、飲み屋で飲んでる写真を撮りたいのかというとそうでもない。じゃ、好きなものはお酒、って言う人はなにを撮るのが幸せなんでしょうね?
ゴルフが好きな人なんかも同じかもしれません。ゴルフ好きの多くは自分がプレイすることが好きなのであって、他人がゴルフをしているところを撮りたいわけではないでしょう。(そもそもゴルフ場でプレイもせずに写真を撮るというのが結構難易度の高い話になると思いますが)

まあ、大好きな恋人やご家族がいる人は、そのパートナーを撮るという道がありそうです。恋人ポートレート、家族ポートレートなんていうのは写真としても素敵ですし、思い出の記録としてもとても有意義なジャンルといえそうです。

結局、何が言いたいのかというと、「好きなものを撮ればいい」って言われて、「そうか!じゃあれを撮ろう」と思える人もいれば、「そう言われてもねえ」という人もいるだろうなと思う次第です。
また、「好きなものがないから、写真を趣味にして、写真好きになろうと思ったんだけど」という人もいるでしょう。

私が思うのは、撮りたいものは見つかることもあれば、見つからないこともある。見つからなければ無理に何かを撮る必要もないし、撮りたいものが見つかるまではカメラは仕舞っておいてもいいと思うのです。
もしくは逆に、なんか撮りたいものが見つかったら撮ろう。そのために、毎日カメラを持ち出すようにしよう、でもいいと思うのです。

趣味の話ですから、撮りたくないものを無理に撮る必要はないと思いますし、撮りたい何かが見つかればそれを一生懸命撮ってみればいいと思います。
気楽な気持ちでいろいろ撮ってみるのがいいかもしれませんね。

さて!
あなたは何を撮りますか?
好きなものを撮っていますか?
「好きこそものの上手なれ」といいますからね。

あなたの好きを探してみてください!

塙真一

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