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写真展を開催するということ

4/28より写真展を開催しています。
ニューヨークで撮りためた写真たちを24点を展示した写真展
「New York,The City of Freedom」

個展という形で写真展をさせていただくのは今回で6回目となります。
気がつけばずいぶんやってきたなあという感じ。

では、写真展をやる意味とは何でしょうね。

一口に写真展といっても実はいろいろな種類があります。
まずは私が数年に一度やっている「個展」。
それから、同じ個展でも、いわゆるカメラメーカーさんなどのプロモーションの一環として開催される「企画展」。
そして複数人で開催するグループ展。
それぞれに目的や意味、効果も変わってくると思います。

その中で、一番気合いが入るのはやっぱり「個展」でしょう。
個展とは、読んで字のごとく個人の作品を展示するイベントです。
個展ですから、「写真展=作者」という認識になりますね。
これがグループ展とまったく異なる点です。

今回の写真展では、A4サイズのプリントにマット(縁取り)をつけて、額装して飾っています。
展示数は24点。
今までは50〜60点程度の展示が多かったのですが、今回はと少数精鋭です。
展示する壁面の面積と鑑賞距離からこの大きさ、枚数を決定しました。
A4プリントだと小さいと思われる方もいるかもしれませんが、実際に見ていただくとかなり迫力のある展示だと感じていただけるのではと思っています。

さて本題ですが、なぜ個展をするのか?
私の場合はですが、まずは作品を発表するという行為そのものが一番の目的です。
写真家と名乗っている以上は作品を作って発表するということが大切になります。
SNSでも写真をお見せすることはできますが。やっぱり写真はプリントで見てもらいたいという思いがあります。
ですので、プリントの形で発表しています。

展示する写真は、単に自分が気に入った写真を並べるだけではなく、どの写真をどう組み合わせるか、どの順番で見せるかということをすごく重要視しています。
これはご来場いただいた方に、「あ、塙はこんな写真を撮る人なんだ」と思っていただくためにとても大切なことです。
「こんな作家」と印象づけるための印象操作といってもよいかもしれません。

写真展でのメインシリーズともいえる「夜スナ!」。
独特の色合いと雰囲気が楽しめると思います。
(この写真は展示していません)

そして、作家として写真そのものを販売するという目的もあります。
今回は展示サイズと同じA4と、もう少し小さくて飾りやすい2Lサイズのプリントを販売(受注・郵送)しています。
そのため、飾りたくなるような写真を展示するということも写真選びの要素になってきます。
写真家としては、やっぱり写真を購入いただけるというのはこの上ない喜びといえます。

また、写真展で展示している写真に加えて、写真展ではお見せしきれない写真たちも合わせた写真集も製作しています。
これもまた写真の並べ方などにこだわっているのですが、これについてはまたいずれお話ししたいと思います。
とにかく、写真集もまた多くの人に購入していただけるようがんばっているのです。


昼のスナップももちろん展示。
ニューヨークの街と人をじっくりと楽しんでいただけると思います。
(この写真は展示していません)



写真展は展示期間が終わってしまうと基本的にはもうお見せすることはできません。でも、写真集の形ならずっと写真を見ていただけるのです。
ですので、写真集もまたとても大切な役割を果たしてくれます。

また、遠方の方など、会場まで足を運ぶことはできないけど写真展で展示した写真を見てみたいと思っていただける方々にも、写真集という形ならお届けできます。
ですので、今回は通販サイトへの登録もして、通販での販売にもチャレンジしてみました。(この記事の最後に通販サイトのリンクを記載しておきますので、興味を持っていただけた方はぜひ写真集をお買い求めください)

モノクロにもこだわっています。
写真展では、カラーとモノクルでは用紙も変えています。
作品に適した用紙を選ぶことも大切です。
(この写真は展示していません)


写真展の開催、写真集の作成などは、想像以上にお金がかかります。
もちろん、いろいろな形で売り上げを上げて回収しようとは思っているのですが、はっきりって儲かるというイベントではありません。
もちろん、収支がプラスになるようにがんばるつもりですが。

収支がプラスになるかマイナスになるか分からないのに、それでも個展をやる、写真集を作るというのは、前述した通り「作家としての営み」ということだと思っています。
写真を発表する、写真に価値を感じてもらえる形で見ていただく、オリジナルプリントや写真集を購入してもらう。これらが写真家としての私の本業といえるのです。
また、写真家としてしっかり活動することで、別の形でお仕事の依頼をいただくこともあるかもしれません。
写真作家として生きていること、活動していることを世間に知ってもらうことでそういった新しいお仕事につながることもあるのです。

このため、写真展会期中はほかの仕事はせずに、基本的に会場に在廊しています。
写真作品を見ていただくとともに、私自身も見ていただくことが大切だと思っています。
写真を見せ、写真について説明をすること。
そして塙の写真と、塙自身を知ってもらうこと。
それが写真展というものです。

ずっと会場にいて、一日中、ご来場者とお話をしたり、写真の説明をしたりするのはとても疲れます。
でも、それが写真展の意味と醍醐味だと思うのです。
私自身も楽しんでいます。

お時間のある方は、ぜひ写真展に足を運んでみてください。
会場でお待ちしております。

塙真一


写真展情報

塙真一 写真展 「New York,The City of Freedom」
4/28〜5/22(木・金・土・日 開催 )
MONO GRAPHY
中央区日本橋小伝馬町17−5 2F
(月〜水は閉館していますご注意ください)

会場の場所(グーグルマップ)


写真集の通販サイト

(写真集「New York,The City of Freedom」を購入いただけます。限定版のサイン入りもあります)


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