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【取材記事】アツシさんマインド編

以前X(Twitter)のスペースで公開取材をした“あつし@ドッジボール大好きお兄さん”ことアツシさんの記事、第二弾をお届けしたい。

第一弾はこちら

今回は“自分を変えること”、“メンタルの保ち方”など、心の部分をまとめてみた。自分を変えたいと悩んでいる人や、気持ちの切り替えがうまくできないと困っている人にぜひ、読んでもらいたい内容となっている。


アツシさん流 自分を変える方法

「5年くらい前までは人のことボロクソに言ってましたからね。」
キャパシティの話しを聴いていた時に、アツシさんから驚く言葉が出てきた。

相手に寄り添い、あたたかい言葉を掛けてくれる今のアツシさんからは想像もできない過去。そんな自分を変えようと思ったきっかけを聴いてみた。

自分を変えようと思ったきっかけ

「その時の私は児童館のリーダーだったんですよ。要は、保育園でいう主任みたいな立場で、自分より上に館長というトップがいるんです。 だから、全部自分に決定権があったわけじゃないんですよ。だからこそ、館長の悪口を言ったり否定をすることで、スタッフを自分に寄せてたところもあったんです。

でも、自分が施設長になり、自分より上がいないとなった時に、今と同じままじゃ孤立する、自分の想いが伝わらない、と気付いて変えようと思ったというところですかね。」

一番上という立場になった時、自分の立ち位置を知ったというアツシさん。
施設長という立場は簡単に孤立してしまう。孤立しないためにはどうしたらいいのだろうか。

人を責めるマインドを変えた

自分がまず、人を責めるマインドを変えてかないと、みんなも変わらないだろうなと思ったんです。

会社の悪口を言うのもやめようと思いました。自分が現場のスタッフに会社の悪口を言うことで、スタッフが会社に対してネガティブな捉え方をしてしまう。それが会社に伝われば、“会社の悪口を言っているスタッフ”だと悪いレッテルを貼られてしまう。そうなったら誰も得しないし、なにより自分のスタッフを守れないと思ったんですよね。」

なるほど 。それに気付けるっていうのがすごいですよね。

「急に後ろ盾がなくなった瞬間に『あ、これやべえな。』って思ったんですよね。 ある意味、児童館の館長にはなりたかったけど、1回そこを挟めたっていうのは、自分の中で良い経験だったなと思っています。」

誰かの悪口を共有することで一体感を作る。そういう一体感の作り方は違うと思った、とキッパリ言い切るアツシさん。それは自分のことだけではなく、施設長として職員を守る覚悟をも感じる言葉だ。

自分を変えるなら一歩ずつ

「自分がもっとキャパシティを広げたいとか、変わりたいとか、もっと人との繋がりを良くしたいと思うなら、自分の中のネガティブな部分や、人を責める部分を、100からまず60ぐらいに減らすところからやってもいいんじゃないかなと思います。それだけでも随分変わってきます。

うちにね、『面倒くさい』が口癖のスタッフがいるんですけど。」

そう言いながら、自分を変える努力をしているスタッフの話しをしてくれた。

めんどくさいが口癖のスタッフ

「うちのスタッフが、1日10回以上言うんですよ “面倒くさい”って。本当に面倒くさいんじゃなくて、もっと効率よくした方がいいから言っちゃうところがあるんです。その人には意味があったとしても、『うわ、この人面倒くさがってる。』って思われた時点で、相手にネガティブに伝わってるわけじゃないですか。

『君はね、面倒くさいって言ってるけど、効率を良くしたくて言っちゃうんだよね。自分の中で変えたいと思ってるの?』と聞いたら、『変えたいです。』って言ったんです。『じゃあ今、面倒くさいっていう単語を1日10回以上言ってるから、せめて5回にするとか、ちょっと減らしてこう。』って言ったら、次の日からは一切言わなくなったんですよ。そしたら、すごいストレス溜まってたんです(笑)

最初から0にしなくていいんです。ちょっとずつ。量から変わってく、変えていくっていう大事な部分かなと思っています。」

『面倒くさい』というスタッフに対して、気持ちを理解しながらも、損をしないように変わるきっかけづくりをするアツシさん。自分を変えた過去があるからこそできる職員の守り方だと感じた。

アツシさん流 メンタルを保つ方法

アツシさんは芯が強くブレないイメージだ。

それだけではなく、自分とは違う意見にも耳を傾け、決して否定せず受け止める。どんな時も穏やかで笑顔が耐えない人。きっとメンタルが安定している証なのだろう。悩んだり落ち込むことはあるのだろうか。

人と比べない、なんとかなる

「未だに人と比べちゃうこともあるし、自分、全然足んねえな。って思うことだらけです。」そんな意外な言葉が返ってきた。

人と比べて落ち込むんですか?それを燃やして、前に進んでいくイメージなんですけど。そう尋ねるとメンタルを保つ方法について語ってくれた。

「基本的には燃やして前に進んでいく。でも、燃えるまでに1週間ぐらいモヤっとしてる時はあります。落ち込んだ時や、自分できてないな、と思った時に、何が足りないんだろうとまず1回考える、そして人と比べないことが大事だと思っています。比べるから自分が落ち込むんですよね。

飛び抜けてる人とか、凄いことを言ってる人を見ちゃうと、どうしても落ち込んじゃうので、まずは比べないようにします。でも比べちゃった。じゃあその人にとって自分は何が足りてないんだろうっていうところを考えて、自分には何ができるんだろうって、できることを考えていくようにしてるんですね。

でも結局『やっぱできないな。』と思うこともいっぱいあって、最終的には『ま、いっか。やっていればなんとかなるだろう。』となるんですよ。」

人と比べて足りていない自分に落ち込む。その気持ちは痛いほどよくわかる。そこで、僻んだり、卑屈になって終わるのか、『自分には何ができるのだろう。』と自分と向き合うことができるかで、その後の成長が違ってくるのだろう。

ポジティブになれる自分のお守りを用意しておく

「あと1つ言うなら、泣くってのはあるかもしれないですね。 例えば、映画を観て泣くとか、ドラムを叩きながら泣くとか、そういうので涙を流すようにしてるんですよ。

ネガティブな感情で泣いたらいつまでも引きずっちゃうけど、この映画いいな!と思って泣くだけで結構スッキリする。しんどいなと思った時に自分はドラムを叩きます。その時の曲の感情と、自分のネガティブな感情がちょうど一緒になって、浄化されてる感じなんですよ。」

好きなことと自分の感情をリンクさせて泣く。これは私にも経験がある。私は歌うことが趣味でよくカラオケに行くが、昔はメンタルが落ちている時に泣きながら歌を歌うことが良くあった。涙が出てくることで、「あ、私って今こんなにしんどいんだ。」と気付くきっかけになるし、出し切ることで確実にデトックス効果はあると思う。

でも、気持ちが落ちていると前向きなことをする気にならない時もある。そんな時はどうしたら良いかを聴くと「いくつか用意するんですよね。映画は見ないけど、漫画の大好きなシーンを毎回読んだら泣けると思ったら、それを見て泣く、とか。ポジティブになれる物をいくつか用意しとくだけで変わると思っています。」と教えてくれた。

自分だけの元気になれる心のお守り。いくつか持っておくと辛い時に立ち直るきっかけを与えてくれそうだ。

ネガティブワードが弱点

「自分がネガティブワードを言わなくなったことで、自分の中で今ちょっと弱点になりつつあることがあるんですけど。」

そう言ってアツシさんの弱点を教えてくれた。

「誰かを攻撃してる場面とか見ちゃうと、もうしんどいんですよ。今の職場の引き継ぎの時、元々の施設長に1時間近く、「このスタッフはここが悪いから、ここができてないから。」っていうの一人ひとり全部言われたんですよ。もうそれ聞いてただけで、私30分ぐらいで気持ち悪くなっちゃって。もうしんどい、しかなくて。

それくらい人のネガティブな話しや、人を攻撃してる言葉には凄く敏感で、聴くと苦しくなっちゃうんですよね。自分の弱い部分というか、弱点ではありますよね。ここも受け流せるようになれたらいいなって思っています。」

私も悪口を聴くのは凄く苦手だ。心がずっしり重くなるし、改善を求めない悪口は無意味だとすら感じている。しかし、施設長という役割上、どうしても職員から文句や愚痴は耳に入ってくる。それらにどう対応すればいいのか分からず、ひたすらに聴いていたらしんどくなった。と伝えると、アツシさんも笑いながら共感してくれた。

愚痴には敢えて意図をズラして話す

「俺も聴いてましたね。聴いてたけど、そこであまり共感しないというか。 ネガティブな話をする人って、共感してほしくて喋ってるんだけど、 そこを『わかります。』じゃなくて、『じゃあ、こういう風にしてみますね。』とか、『こういう風にあなたもやってみたらどうですか。』って、すぐアドバイスをしちゃうんですよ。本人がほしいのはそれじゃない。だから言わなくなってくるんですよ、聴いてくれないから。共感はしすぎちゃいけないってところですね。」

「でも、施設長とか園長だったら、言われた問題点に対して、課題に対して、解決する姿勢を見せなきゃいけないわけじゃないですか。自分はそういう役目を果たしてるだけなんですけど、 話す側からしたらそうじゃないんですよね。共感してほしいんです。私はそれがわかっててあえてずらして話しているところがあります。言い方は良くないですけど、愚痴を話し半分で聞けるようになってくるというか。人間ね、誰しも持てるキャパってありますから。」

“私は施設長なんだから、職員の話しは全て丁寧に聴かなければいけない。”そう、自分を追い込みすぎていたことに気付いた。愚痴やネガティブな話しは解決する姿勢で臨むこと。共感しすぎないこと。この2つを心がけるだけで、心の平穏が保たれる気がしてきた。

自分を変える勇気

アツシさんの自分を変えた話しやメンタルを保つ方法は、読んだ人にどのような影響を与えるのだろうか。とても興味深い。

仕事や人間関係で悩んでいる人は多いだろう。私もその一人だ。人を変えることは難しい。それなら“自分を変えてみよう”、“考え方を変えてみよう”

自分を変えることも簡単ではないけれど、実際に“変えた”人がいる。この事実は大きな希望だ。そしてアツシさんは“変わりたい”と、もがく人を全力で応援してくれる。繋がったら絶対に1人にはしない。手を差し伸べ続けてくれる保育者応援キャプテンのアツシさん。背中を押してほしい人、保育を苦しいと思っている人は、ぜひ繋がってみてはどうだろう。

次回は最終回となる第三弾。アツシさんの夢や目標を持つことの大切さを深堀りしたい。

保育者を応援し続けるアツシさんへの応援コメント、お待ちしています♬

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