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「参加者の窓」について

このサイト内で継続的におこなっているもう一つのワークは、夏に創った映像作品「3つの窓」を私が観て貰いたいと思う人に直接連絡をして、2つの質問に答えてもらう「参加者の窓」という作業だ。

これは1対1の手紙のやり取りのようでもあり、画面越しの対話でもある。

元々は、自分の作品について多角的な意見が欲しいと思って始めたことだったのだが、2つめの質問ー「COVID-19以降、あなた自身が「変わってしまった」と感じること、「取り戻せない感覚」について教えてください。ー

この質問に対する各アーティストの回答が面白く、とても興味深かったので現在進行形でアンケートを続けている。アーティストがどのような環境でどのようにコロナ以降の世界を見ているのか、このような切り口で彼らの視点に触れることが出来たのは嬉しい副産物だった。

皆、それぞれの環境で今できること、自分なりのコロナ禍での活動を見出して道を切り開いている。ただ、その活動自体が人前に晒されることはあっても、その活動に至る何歩か手前の、微妙な心の変化について、世界への眼差しについて触れることは少ないのではないかと感じる。これらは、いずれ紙媒体におこして、もっと色々な人に読んで貰いたいと考えている。

ところで直近で、振付家の白井愛咲さんにこのワークをやってもらって、全く知らない世界に触れることが出来た。私はゲームに疎くて、海外インディーゲームというものの存在を知らなかったのである。

愛咲さんは「3つの窓」を見て想起したことについて、これらのインディーゲーム※「Mosaic」や「Creepy Vision」「caged bird don’t fly caught in a wire sing like a goodcanary co」のプレイ動画を思い出したと言ってくれた。

特に「Mosaic」のyoutube動画を見た時、とてもダンス的で感覚的、そして東京に居た頃の自分の身体感覚が引き起こされてビックリした。17年間東京で暮らしてきた私にとって、当たり前のような風景が繰り返され、特に気にも留めていなかったそれらの環境が、実は漠然とした不安感に繋がっていたのではないかと思わされる動画だった。

自分には無関係だと思っていたジャンルに「共感」を覚えると、途端に世界が拡がっていく気がした。そういう意味では、やはり作品が他者の目に触れ、その他者の言葉に触れることで世界が拡がる、ということは私にとって必要不可欠なのだと実感した。

協力してくれたアーティストの皆さん、本当にありがとう。



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