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【PJと惠とcofumiの】お題で書き合う短編遊び〜「絡まったままの秋桜」
PJさん春野惠ちゃんと、3人で1つずつお題を出して、その3テーマで短編を書くという遊びをしました。 👍
が!cofumiは言葉を当て込んだ使い方しかできなかった😂
PJさんお題✴︎秋桜
春野惠ちゃんお題✴︎筋トレ
cofumiお題✴︎声
では、お楽しみください🎶
⌘⌘⌘
絡まったままの秋桜
ほどけない恋心にも似て涙する
「夢生さん、ありがとうございます。とても良い短歌だったと思いますよ。ね、琥太郎 さん、いかがですか?」
「はい、夢生さんは、今恋をしているのでしょうか?いえ、それは冗談です。すいません。でも、恋する女性の心情が痛いほど伝わってきました。」
近所の「ラフランス」というカフェの一角で、毎週土曜日の午前11時から短歌をお互いに詠み合う会が行われていた。
それを知って参加してから丁度半年が経った。
最初は興味本位で参加していたけれど、やっているうちに楽しくなって、予定がある日以外は参加していた。
60代、70代の方が多い中、琥太郎 さんは30歳くらいで、いつも和装。肌が白くて、ティーカップを持つ指はとてもしなやか。
女性の私でさえうっとりしてしまうほどの美しさ。
「夢生さん、この後用事がなければ手伝って欲しいことがあるんですが。」
私は琥太郎 さんの言葉に、少し頬が熱くなったのを感じて、下を向きながら「私にできる事なら…」と返答した。
それと同時に、彼のあのしなやかな指が私の手を捉えた。
「ありがとうございます。」
彼の指の温もりを感じながら、まるで夢心地の私が連れて行かれた場所はお花屋さんだった。
「実はどうしても欲しい鉢植えがありまして、一人で二つ運ぶのは流石に筋トレで鍛えた僕でも無理なので、誰かいないかと思っていたんです。すいません。こんな事お願いしてしまって。」
もしかして、この鉢植えは彼のお部屋に運ぶという事なのだろうか…。
そう思ったら心臓がドキドキしてきて、少し変な緊張もしてきた。
「いえ、私彼氏もいないし、いいんです。」
緊張のあまり、余計な事を口走ってしまった。更に心臓は早まって、顔が真っ赤になったのが分かった。
「夢生さん、彼氏さんはいないんですか?
じゃー立候補しちゃおうかな?!」
何て罪な人。そんな冗談を言ってからかうなんて…。
泣きたくないのに涙が出てきてしまった。
彼は理由を聞くこともなく、しなやかな指でそーっと私の涙を拭ってくれた。
その日以来、私は彼への想いを何重にも苦しいほど重ね、詠む短歌は切ないものが多くなっていった。
詠む声すらかすれるほどだった。
「夢生さん、何かあったんですか?大丈夫ですか?」
そう会のメンバーさんにまで心配される始末。
琥太郎 さんの存在が日ごとに大きくなっていた。
「それでは、琥太郎 さん、詠んで下さい。」
絡まった秋桜ほどき伝えたい
あなたの事が大好きです
夢生さん
一瞬、間があったと思ったら、次の瞬間には拍手が湧き上がった。
私の手はしっかりと、白いあなたの手に握られていた。
〈おしまい〉
こちらがPJの作品🌸
こちらが惠ちゃんの作品🌸
書くことはヨチヨチ歩きの🐣です。インプットの為に使わせていただきます❤️