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「TWELVE」ショートショート  #うたスト#課題曲Z

最近この地球では、他の星に移住を希望する人や動物たちを募集している。
今年初めての募集で集まったのは8名の子供と5匹の動物だった。
希望していているからと全員が行けるわけではない。ジャッジを下す『ホーリー様』が白い髭を撫でた者だけが移住を許される。
去年は人間、動物合わせて40ほど許可を得ることができたが、何を基準にしているのかは誰にも分からなかった。

「それでは間もなく審査を始めます。
ルームZ にお入り下さい。
中で私語は厳禁。ホーリー様が白い髭を撫でた者だけ、その部屋に残りなさい。」

全員、緊張した顔をして指示された部屋へ入って行った。

その部屋は、壁も床も真っ白で、中央にホーリー様が座っていた。優しそうな瞳に長く白い髭。真っ白な服に裸足だった。

ホーリー様の周りを囲むように座り、審査は始まった。

「それでは何故移住したいのか、手短に応えなさい」優しく語りかけるような声で聞いた。

No.1 私の目は金色です。その為にこの星では眩しすぎるのです。この目で誰かを癒すことができるのなら、星の一つとなり誰かの一番星になりたいのです。

No.2 私は見ての通り、人間の心を持つ緑のウサギです。見た目が違うので、時々嫌がらせをされます。でも、この体を嫌いになりたくないのです。出来ることなら月に行き、私も十五夜のウサギとなり、子供たちに夢と希望を与えたいのです。

No.3 僕は赤い月を見ると狼のように吠えたくなるのです。その声を聞いて驚く人も居れば、涙する人もいます。僕の声を聞いて涙する人達の為に、一つでも多くの星でララバイを歌ってあげたいのです。

No.4 私の目はガラスでできています。何を考えているのかわからないと言われます。
でもこの目は、相手の心を見る事ができます。
不幸な星にいる人たちの心を読むことで、幸せに導きたいのです。

No.5 私は首の短いキリンです。他の動物からもキリンのくせにと言われるのがつらいです。
でも、私は強くなりたい。強くなって他と違うことは悪いことではないと皆んなに教えたいのです。

そうして次々と移住したい理由を述べました。
ホーリー様は、少し困った顔をして、最後にこんな事をききました。

「この世で大事なものは何かな?」
『命です!』
『お金です!』
「命と言ったのは誰じゃ?」
No.1からNo.12が手を上げました。
ホーリー様は頷きながら白い髭を撫でました。

「えーなんで?!お金でしょー!!」
そうNo.13が言った後、ホーリー様は言いました。

「みなの命は一つじゃ。同じものなどない。
その命に限りはある。しかし、みなの魂に終わりはない。命の大切さをわかっているものは、魂の尊さを知ることができる。
魂は遠い過去から引き継がれておる。より大きく輝くために旅をしてきておる。
ーーNo.13よ。お金も必要じゃ。
しかし、人の心はお金では満たされないのじゃ。そして命に値段はないのじゃよ。
分かったらお行きなさい。
また会おう。」

そして、ピピピーッと審査終了の笛が鳴った。

《おしまい》

✴︎✴︎✴︎

今回は『宇宙PJ&おんなPJさんの Z『That's all right /PJ』からちょっと風変わりな!?ショートショートを書いてみました😂
え?!そーへっぽこ!!!

素敵な曲をPJさんありがとうございます💓

👇企画の詳細はこちらです!
0314までやってるよー!!!

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#音楽
#ショートショート  #掌小説 #小説

書くことはヨチヨチ歩きの🐣です。インプットの為に使わせていただきます❤️