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王子様のキスではなく、私はアレクサでめざめたい


北村紗衣『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』を読んでいるところなのだけど、「プリンセスは男のロマン!」の話がおもしろくて笑ってしまった。
映画に淡々と斬り込んでいく北村さんのフェミニズム批評、フェミなんて興味ないよという人でも「こんな解釈のしかたがあるのか」と目から鱗だったり勉強になったりするし、単純に読み物として十分楽しいと思うので、気になる人はぜひ購入してほしい。私もまだ読み終わってないけど。

北村紗衣さん「お砂糖とスパイスと爆発的な何か」まだ読み途中だけど、プリンセスは男のロマン!の項、笑ってしまった。言われてみれば、女性の社会進出がまだまだだったころからプリンセス作品を制作してきたのは男性だよね。私もプリンセスには憧れなかったほうの女性です

* 2020/4/14 23:38 @luv2u_sl からツイート

(憧れなかった「ほう」ってなんだよとツイートしたあとで思った。)

ちょうど、4/15が東京ディズニーランド37周年のアニバーサリーデーなので、私とディズニープリンセスの話をしようかなと思う。


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「ワンマンズ・ドリームⅡ-ザ・マジック・リブズ・オン-」(終了)
プリンセスがロマンチックなショーといえばこれ


ツイートにも書いてあるけど、私はプリンセス願望のない人間である。より正確に書くなら「プリンセス変身願望はない(ただし型破りなプリンセスを見たり読んだり書いたりするのは好き)」だろう。

ディズニーランドのビビディバビディブティックで素敵にドレスアップした子どもたちが、パークのなかで髪を振り乱したりスカートをめくりあげたり大声をあげたり、おおよそ「プリンセスらしい」仕草とは無縁に、自由奔放に駆け回っているのを見るのが大好きである。(おしゃまさんたちももちろんかわいいよ)

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デイパレード「Dreaming Up!」
徒歩であらわれるアラジンとジャスミンがすき


白雪姫、シンデレラ、オーロラ姫の初期3大プリンセス(?)も素敵だなとは思うけど、私はやっぱり、黄金期ならばジャスミン、現代ならばラプンツェルやエルサが好きだなあと考える。とくにラプンツェルは、フライパンを持って闘うところがとてもいい。

型破りなプリンセスを見るのが好きなのは、幼児期~小学生にかけて見た「美少女戦士セーラームーン」や「魔法戦士レイアース」等の影響ではないかと思う。でも、月野うさぎより天王はるかや海王みちるのほうが好きだし、主人公の獅堂光やエメロード姫より龍咲海のほうが好き――と考えたところで、私やっぱりプリンセスが好きなわけじゃないんだよな? たぶん、型破りなプリンセスではなく、闘う女性が好きなのである。


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ディズニー七夕デイズ「七夕グリーティング」
笑い崩れるラプンツェルとフリン、かわいいだろ


ラプンツェルが「こうしていなさい」と抑圧的な母親の言いつけを破って塔を出ていくところはわくわくするし、それは、決められた結婚に嫌悪感を示すジャスミンや、自分らしさを追い求めるエルサに対しても同様である。自らのありかたを規定しようとする記号や立場を踏み倒していく姿を見るのは、私にとって、だいたいいつも爽快だ。

セーラー服やときにドレス姿で武器を持って敵と戦うこと、女性なのか男性なのか判然としない立ち居振る舞いをすること、同性を好きでいること、車の名前がついたロボットに乗って闘っていること――。幼少期からそういった姿に影響されて育ってきた私にとって、ラプンツェルがフライパンを武器として振りまわすことなどは、料理に象徴されうる家庭的なものを殴りつけている感じがして、気持ちがいい。(家庭的であることが悪いという意味ではない、選択肢としてそういう使い方もアリだと提示しているところがいいのだ。)


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アナとエルサのフローズンファンタジー
「フローズンファンタジーパレード」

毎年、エルサが美しくて本当に好きだった


ジャスミンは自分で縁談を破談にはできないし、ラプンツェルは一人で塔を抜け出せない、エルサは「理解され(るはずが)ない」という恐れから国を逃げ、Let it goをやけくそに歌って自らの城に閉じこもる。セーラームーンとエメロード姫はとてつもなく自己犠牲的で、はるかとみちるに何らかの社会的解決策が示唆されるわけでもなく、フェミニズムの観点から考えると至らないところはたくさんあると思う。

だけど、作品を時代毎に捉えれば、段々と「私」を取り巻く価値観が刷新されてきているのは感じる。「シュガーラッシュ2」でガラスの靴を割ってみせたシンデレラは最高だった! ドレスできらびやかに踊るより、Tシャツで寝転んでいるほうが楽しいってきもちが、プリンセスたちにだってあっていいのだ。

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ディズニー七夕デイズ「七夕グリーティング」
七夕はキャラクターが近くて最高すぎて最高


当然だが、従来のシンデレラが大好きだと主張するのももちろんかまわないのだ。ディズニーランドで出会えるプリンセスたちはそりゃあエレガントかつスマートでとても素敵だし、眺めていると幸せな心地になる。憧れるのもよくわかっている。私は、フェミニズムは(女性だけでなく全ての性別の人たちが)選択肢を手にすることだと思っている。プリンセスを取り巻く描写が多様化しているのは、ありかたを規定しようとする社会と闘ってきた人びとがいるから成し遂げられているし、それを忘れずにいたいよなと『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』を読みながら考えているところだ。このさき読み進めるとディズニープリンセスの話もあるので、楽しみにしています。


▽今日の1冊(まだ途中→4/29読了)

男の子がビビディでプリンセスになっているのをツイッターで見かけると、つい嬉しくなっちゃうよ!いいね!あとは女の子がプリンスとかピーターパンとかクリストフの格好になれたらいいと思うんだ~。早く来い。

あと私、アレクサ持ってないけどね。


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