今日の体重(母方の祖父〜早朝の小鳥)#52

86.1kg

ぼくは生まれたときにすでにお得な家庭にいた。父は車で1時間くらいでいける田舎に実家があり、お風呂は釜で炊き、祖父は畑で野菜を育てていた。

母は北海道に実家があり、冬はスキー三昧で夏は涼しい夕方からBBQをよくしていた。

すでに4人の祖父母は他界しているが、今でも家は残っているので遊びに行くこともある。

北海道の祖父は優しい人だった。母から言わせると、かなりこっぴどく躾けられたようで、孫への態度の変わりようにびっくりしていたようだった。

ぼくの父も負けず劣らず躾の厳しい人だったが、祖父の家では祖父がルールだったので、夜遅くまで寝ててもジュースを飲んでも何も言われなかった。ただ、みっともないことをするとやんわりと怒られた。

朝早く起きると、祖父は小鳥に餌をあげている。それを手伝うともらえるキャンディがある。

祖父の家でしか口に入れたことがなかったので、そこでしか食べられないものだと思っていた。

また、朝早く起きないと食べない、という制約を自ら課し、起きれないと食べなかったと思う。祖父も朝早く起こすためにくれなかったんじゃないかと思う。

祖父は牛乳瓶の底のようなメガネをかけていた。黄色いべっ甲メガネだ。その奥に光る眼は聡明で優しかった。

朝早く起きると、飴がもらえるし、そんな祖父を独り占めできた。それもまた、特別なことだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?