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介護と医療のフィリピン視察(前編)〜なぜ現場なのか〜

先日、介護や医療の現場視察として4日間フィリピンへ行ってきました。
個人的には、海外に行ったのが久々ということもありましたが、何より東南アジアというエリアに行ったのは初めてだったので、それはそれは刺激と学びがたくさんありました。

コロナ禍でなかなか気軽に遠くへ足を伸ばすことができない時期が続き、そんな時代に呼応するかのごとく情報社会のアップデートは目まぐるしく加速していったわけで、気がつけば「インターネットさえあればなんでも情報は得られるのでは」という考えが無意識的に強まり、その対比として「オフラインで情報を得ること」の重要性が薄まっていたような気がしています。

そんな中、久々に物理的な移動を伴って得た情報で価値観をアップデートできたという体験を経て、今回の視察が「なぜ現地なのか」「なぜフィリピンだったのか」に対する気づきを得たので、前後編に分けて発信したいと思います。
前編の今回は「なぜ現地なのか」について考察します。

と、その前に!
今回の旅は、外国人人材の支援サービスを運営しているハーティーマインドさんと、旅行代理店の有限会社SQUAREさんのサポートにより、素晴らしい経験となりました。
この場を借りて御礼申し上げます。

百聞は一見に如かず、だった貧困問題

今回のフィリピン滞在で、貧困地区にあたるパヤタスという地域を訪ねたのですが、そこで見た景色や聞いたお話しというのは、自分が持っている価値観を大きく変えるインパクトを持っていました。

パヤタスの家が並ぶ道。実際にお宅にも訪問させていただきました。

東南アジアを始めとする発展途上国における貧困事情については、概要だけであれば日本にいてもインターネットやテレビ、書籍などといったメディアから情報を得ることは可能かもしれませんが、実際にそこに住んでいる人と会話したり、住んでいる家の中をこの目で見ることは現地に行かないとできないことですよね。

パタヤスの子供たち。拾ったゴミを換金して生計を立てている家庭が多い中、「将来の夢は?」と聞くと「先生」「警察官」「お医者さん」などとキラキラした目で応えていたのが印象的でした。

何事もそうだと思いますが、実体験を通じて得た一次情報というものは、他のどんな情報よりも理解を深め、価値観に大きな影響を及ぼします。
そういう意味で、パヤタスで出会った人が聞かせてくれた話や、見せてくれた生活が、他のどんな情報よりも現状への解像度を高めてくれました。
まさに百聞は一見に如かず、を思い知らされた体験です。

具体的な情報もここで共有したいところですが、上述の通りこの目で見るのが一番だと思うので是非見に行ってもらいたいと思ったし、自分ももっともっと見るべきだ、という気持ちに駆られました。

旅先でのディスカッション

個人的な話ではあるのですが、今まで海外渡航はいずれも家族と一緒か、自分1人で行くという経験しかなかったので、滞在期間中のほとんどの時間を視察同行者と過ごすという経験は初めてでした。
そしてまた今回はこの同行者のラインナップにまた恵まれてまして、介護や医療のプロでそれぞれの専門分野にかなり高い解像度の知見を持っている方が集まっていたのです。
それゆえ、今回の視察で訪ねた医療機関や介護施設、看護学校で知ったこと、感じたことをすぐにプロの方々たちと意見交換やディスカッションできる環境があったおかげで、解釈を高次元に昇華できました。

初対面の方がほとんどでしたが、同じ時間を共有したことで見えない絆みたいなもので結ばれた気がしました。

語る相手がいるなら断然、現地で同じ時間を共にした方が良い。
旅に仲間あり、でした。

知的好奇心への刺激

海外なんて特にそうですが、その土地の景色や言葉、文化、国民性、食事、どれをとっても普段我々が触れているものと違いますよね。
そういった違いから、本来の旅の目的とは異なる視点での発見が多々あったりします。
僕の場合だと、今回の旅の主たる目的は「外国人人材」という視点での介護や医療の現場を視察したいという旨が強かったのですが、個人的に初めて行くエリアだったこともあり、現地で過ごしただけでフィリピンのみならず東南アジア全体の宗教や経済の歴史にも強い関心を抱くようになりました。

看護学校に併設されていたチャペル。別の日に行った介護施設にもチャペルがあり、フィリピンにはキリスト教が身近にあるように感じました。

おそらくインターネットで欲しい情報だけを効率的に収集していたら、こういったきっかけとは出会えなかったでしょう。
元々学ぼうと思っていたものとは別のテーマで学びたいことが増えるのは、現地の空気を全身で浴びたからなのかなと思います。

おまけ:世界遺産にも行ってきた

今回滞在したマニラにも実は世界遺産が1つだけあって、そのサン・アグスティン教会にも行ってきました。

サン・アグスティン教会の外観

スペイン統治時に建てられたフィリピン最古の教会で、当時流行していたバロック様式という建築様式を地震の多いフィリピン流にアレンジし、「地震のバロック」とも言われた建造物です。
とまぁ、このような概要くらいは世界遺産検定1級を取得した時にいわゆる「座学」として学べたのですが、いざ実物を目の前にするとテキストからは得られなかった発見や感覚があったのは言うまでもありません。
そういう意味でもやはり現地に足を運ぶ大切さを実感したのでした。

バロック様式の内装は日本では見ることができない壮大さがありました。

今回は「なぜ現地なのか」という、わりと普遍的なテーマについて書いてみましたが、次は今回の旅が「なぜフィリピンだったのか」という点について、具体的に書いていけたらなと思います。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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