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性に目覚める頃

性に目覚める頃 1920(大正9)
室生 犀星むろうさいせい 1889〜1962

新選名著復刻全集 近代文学館

室生犀星 31歳。
幼少〜青年期の自伝的な短編小説。

青といえば・・*青春* 


春の寺(8歳で住職の養子となった犀星)


私はいつか自分の生ひ立ちを書いておきたいと思ひながらいて、つい書ききれなれない文章のことゆえ、永い間それを果すことができないでいた。ところが、今年の春、本郷のある裏町から電車通りへ抜け出る近道で、ちゃうど其處そこにある小學校の唱歌室の前を通りかかると、折柄おりから音樂の時間だつたと見えて、美しい唱歌のこえが落ち着いた優しいピアノに伴れて、まるで天にでもささやく清朗な凱歌がいかのやうに、いきいきした邪気ない魂とともに私の奥の奥なる心にゆききした。・・・

性に目覚める頃 序  P1

・・・

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◎大正モダンのおしゃれなフォント
ヨーロッパから始まった、曲線が特徴のアールヌーボー(Art nouveau 新芸術)の影響もありそうですね

あと、なんとなく江戸川乱歩が浮かんだり・・🥀

◎モダンガールにちょっとあこがれる


著作者 室生犀星
発行所 新潮社
*「中央公論」に発表し、のちに新潮文庫にて出版

◎室生犀星記念館
故郷、金沢に記念館があります。企画展や講座などもしています。

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