父の日に父になった父
父は漁師だ。
75歳を過ぎても、まだ海の上にいる。
昔は遠洋に出るマグロ船に乗ってたので、会うのは半年に一度だった。
小さい頃『父の日にお父さんの顔を描きましょう』と言われたが、『そもそもお父さんとはなんだろう』くらいに思っていた。
そのくらい父が家にいることはなかった。
(ちなみに先生が悪戦苦闘して『メガネかけてるかなぁ?』『ネクタイは?』とか聞いてくれたが何の事か一切わからず、適当に相槌をうってメガネにネクタイの誰だか知らない人の顔を描き、母が『コレは見せられないなぁ』