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神様がくれた休暇

あーもうホントに忙しい!
どーにも予定が詰まって身動き出来ない!!
って時に限って子どもが熱を出す。
もしくは学校から呼び出しの電話がかかってくる。
大事な打ち合わせ、会議、代打の取れない仕事…。
休めない…仕事に穴空けられないよ…と、言う時に限ってだ。

何度そういう事があっただろう。
ワーカーホリックとしては全くぐぬぬである。
同僚に頭をこれでもかと下げ、偉い人に胃の痛くなるようなリスケのお願いをし、不在中の段取りをして、大慌てで着替えてカバンを引っ掴んで子どもの所に向かう。
寝起きで発熱に気づいた日には最悪である。

うちのコは、親が忙しくなってイライラしたり家事をやっつけ仕事にすると、途端に熱を出す子だった。
もっとこっちを見て!という痛々しい無言の叫び。
その度、子どもの体の心配や親としての情けなさや不甲斐なさ、そして仕事を組み直す面倒さに泣きなくなった。
それは本格的に親が仕事を再開した小学校、中学校、高校(正確には中高一貫校だが、年齢的に)と続いた。
全く…今は無理だって、と思いながらも、悲しい淋しい思いをさせたうちのコと向き合う。
いつもごめんね。ちゃんと見ているよ。
ちゃんと気にかけているよ。
この仕事のお休みはきっと、子どもと向き合いなさいって神様がくれたお休みだね。

子どもは正直だ。
親が親という身分を忘れそうなとき、ちゃんと『こっち向いて!』と訴える。
それは、小さい時の公園で夢中になってずーっと遠くで一人で遊んでいるのに、ふと我にかえって不安になり『かーちゃーん!』と呼んでいる、それと同じ。
大きく手を振り返すと安心してまた遊び出す。

この度一人暮らしを始めたうちのコは、淋しくて週に一度帰って来るも、転職したばかりかつ新年度でパツパツの親に一切構ってもらえず自宅に戻り、そして週末近くに熱を出した。
親は半徹夜、徹夜、徹夜明け飲み会(そして早朝起きるためそのまま爆睡)というスケジュールの週だった。
そういえば、帰ってきていた娘とマトモに会話も出来ていなかった。

さすがに仕事を休めず飛んではいけなかったけど、仕事終わりに車をかっ飛ばし沢山食べられそうな物を買い出しして行ってきた。
38度以上熱があるもただの風邪との診断。
ニコニコ出迎えた姿と引っ越しから全然片付いていない部屋に若干ウンザリするも、水回りがキチンとなっていることにホッとした。
ちゃんと頑張っているね。
偉いぞ。
離れてもちゃんと見ているよ。

あの公園で遊んでいたときみたいに、いつでも大きく手を振るよ。
神様はお休みはくれなくなったけど、代わりに一緒に楽しむ時間をくれたよ。
楽しみだね。


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