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合唱かソリストか?!

正直言ってソロは勝者

合唱は敗者

なんて考えている人います?

声楽科の学生だった頃
日々、声のトレーニングを行い、音大でレッスンを受け、理論や歴史を学び、
鍛え上げた素晴らしい声と音楽を舞台で披露する事を目標に漠然と過ごしていました。

大学内には室内合唱や大合唱のサークルや授業もありましたが、
その時間こそ私の至福の時間でした!

練習がある日は朝からウキウキしている私に

グループで歌うなんて想像もできない
人と一緒に歌うなんてつまらない。
僕の声が皆に聴こえないなんて、
何のために声楽科に入ったの?

なんていうことを毎回私に言っていた
昔の彼は、
学生合唱団の練習に行くのをいつも渋っていました。

そんな言葉を投げかけられて
うん、そうだよね...
とモヤモヤしながらも答えていた私、

自分が彼から
否定されているような
悲しい気持ちになっていたのを覚えています...

勿論その彼は数年後ソリストとして
旅立って行きました。

声楽の教授も、
合唱団で歌うとテクニックが崩れるので
勧めません。
という方も多いです。

音楽が好きでたまらなく、
音楽家として将来生きていきたい、
と考えていた私は

大学を卒業したら具体的にどうしたいのか?
という展望が全く霧の中で
自分でもそれを避けるように
考えることはしませんでした。

もちろんソリストとなる声の鍛錬は抜かりないし
レパートリーも増えていきましたが、

彼女、もうあんなアリアを歌ってる!
あのコンクールで賞を取ったらしい!
オペラ公演の主役に抜擢されたって!!

という激しい競争の中
嫉妬や妬みなどが混ざり合い
陰で心無い事を言う生徒たち

そこで熱くなれない私...

ソロで旋律しか歌えないのは
何ともつまらない。

コンサートの後は納得いく演奏ができたのに
何故か虚しい...

私のまわりの声と私の声を一緒に響かせる事が
何よりも好き。
音がぶつかり合う不協和音にはゾクゾク来るし、
ピアノとフォルテの響きの差が何ともダイナミックに表現できて素晴らしい。

やっぱり初めて音楽に触れたのが合唱だったから

子供心に合唱の本質と
私の音楽性が
自然にリンクしていたのかもしれません。

それがキャラクターに大きく作用されている
と言う事に気がついたのは

もっとずーっと後のことになるのです。






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