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【読書感想文】『キャラクター』長崎尚志

こんにちは。

今日は、長崎尚志さんの小説、
『キャラクター』の感想文です。

前回、映画『キャラクター』の感想文を書きましたが、
今日は小説版の方になります。

映画がとても好きになり、
あれからもう一度観に行ってしまいました。


さて、
小説『キャラクター』は、何稿目かのシナリオを元に作られているそうです。

裏表紙には、
「後半からラストにかけてのストーリーは大幅に異なります」
と書かれていますが、

読んでみた限り、最初から最後まで結構違います。

例えば、

・山城と両角の出会い
・山城と美夏の関係性
・家族構成と関係性
・清田の、両角までのたどり着き方
・結末

などなど。

映画の話の補強として読むには、イメージを覆されるところもあります。
別バージョンとして楽しめる人にはおすすめです。

▷心に残ったポイント

 ▶︎ 筋書きがしっかり
 ▶︎ 両角の人物像がよりはっきり

▶︎ 筋書きがはっきりしている

映画は2時間という枠に話を収めなければなりませんが、
それに比べると小説は、話の長さにあまり制限がありません。

なので、映像だけではなかなか伝えきれない設定を細かく書くことができます。
映画よりも人物像や人間関係、背景や場面描写が細かい

話の筋も明確で、論理的に組み立てられており、
映画よりも内容が濃い気がします。

▶︎ 両角の人物像がよりはっきり

映画ではなかなか語られなかった、両角の背景が詳しく書かれています。
その分、人物像が映画よりも明確で、
生い立ちや殺人を犯す動機がわかりやすいです。

また、両角目線での心情描写が多く激しく、それが結構怖い。

映画の両角には純粋が見られたのですが、
小説の中の両角は感情が激しく狂気的。
「愉快犯」の要素が強い気がします。
より「殺人鬼」という言葉が似合う。

また、両角の山城家への近づき方が本当に怖い!
ここが一番ドキドキ。
両角の「恐怖」に対する執着が見られます。

▷ 結論

映画よりも、小説の方が怖い。

〜終わりに〜

映画を観た時に、
「もっと深いところまで見たかったな〜」と思っていたのですが、

小説では細かい設定まで書かれているので、
その物足りなかった部分を埋めてくれた感じです。

ただ、初めにも書きましたが、
映画のストーリーの補足というよりかは、別のお話という印象でした。

もしかしたら、
「映画での山城や両角の印象とは違うなあ」と引っかかる方もいるかも知れません。

しかし、よく考えられているお話で、
この作品にとても魂が込められていたことを強く感じました。

とても面白いので、気になったら是非読んでみてください!

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