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スノーボードは滑り納め、次の楽しみはドッグラン!

家から車で1時間くらいのところに、IOX-AROSA(イオックス・アローザ:富山県南砺市)というレジャー施設がある。

グリーンシーズンはドッグランやパークゴルフ、バーベキュー、そしてゴンドラに乗って山頂へ行くと、立山連峰や日本海、富山県西部の町並みの眺めを楽しむことができる。

ドッグランは我が家の愛犬プードルの三郎が、初めてドッグランデビューをした場所。初めての場所で緊張していた三郎だったけれど、大型犬と小型犬の2エリアがあり、安心して楽しむことができた。

IOX-AROSAのドッグランは管理がしっかりされていて、利用する飼い主さんも他の犬への気配りや、飼い犬の排泄物の処理もきちんとされているので、三郎も安心して利用させてもらっている。

ホワイトシーズンはスキー場になる。
最長滑走距離は約3,000mで、ゴンドラで一気に山頂まで行ける。スキー場上部でも初級コースがあり、親子で楽しめるスキー場だ。山頂に立ち、向こう側に見える雪化粧をした山々の眺めも最高。

先日、私はスノーボードを楽しむためこのスキー場に足を運んだ。春シーズンなだけに、重たい雪に板が引っかかりやすい状態だったけれど、今年の冬は積雪量も多く、トップシーズンのパウダースノーも楽しめたことのありがたさを思い出し、雪質の違いを味わいながら滑っていた。

スキー場下部まで滑り降り、再びゴンドラ乗り場へ向かっていたとき、スノーボードの板をかかえた女性と、5歳くらいの男の子が目に入った。二人は親子だった。

私はゴンドラに乗り、娘が小学5年生のときにスノーボードデビューをした日のことを思い出していた。場所は長野県の「白馬コルチナスキー場」。1泊2日の日程で、1日目は私はスノーボード、娘はスキーをしていた。それまでスキーしかしたことがなかった娘はスノーボードにも興味が湧いてきていて、スノーボードに乗ってみたいと言った。

2日目は現地で子供用のスノーボードセットをレンタルし、急遽娘のスノーボードデビューとなった。

平地でスノーボードの板に乗る感覚を確かめ、なだらかな斜面を真っ直ぐに滑る練習やエッジをかけて止まる練習を数回した後、さっそく初級者コースのリフトに乗った。

初心者が必ずマスターしておきたい「木の葉滑り」。行きたい方向に視線を向け、前足に体重をかけながら滑っていくのだけれど、コツが掴めず怖がり、娘の視線がすぐに下を向いてしまう。そこに私の一喝が入る。
「下じゃない!顔上げて行きたい方向を見てーーー!」
「みぎーーーって口に出してみーーー!」
「今度はひだりーーーって言ってみーーー!」
「行きたい方向だけ見て踏ん張りーーー!!!」

もうただの鬼ババ。でも娘は健気に練習を重ね、その日のうちに連続ターンをしながら初級コースの上部から下部までこけることなく滑り降りるようになった。

IOX-AROSAのスキー場中腹に滑り降りてきたとき、しばらく前にゴンドラ乗り場で見かけた親子がいた。男の子はゲレンデに座り込み、その少し先にお母さんが待っていた。私はスピードを落とし、男の子の横で少しだけ止まった。その時、少し先で待っているお母さんが男の子に、
「がんばれ!」
と声をかけた。

私もその声につられて
「がんばってね。」
とゴーグルの下で笑顔を見せながら、男の子にそう伝えてその場から離れた。

その後、滑っている最中も男の子のことが気になっていた。座り込んでいた男の子の表情は、「もう無理、疲れた。」と言っているような表情だった。春シーズンならではの重たい雪に足を取られながら滑り降りてきて、恐怖も感じていたのではないかと思った。

過去には鬼ババだった私が、今なら言えるような気がする言葉があった。
「大丈夫だよ。」

男の子のお母さんは、ゴンドラに乗る前もゆっくり歩いてくる男の子を待っていたし、ゲレンデの中腹で座り込んでいる男の子に声をかけながら待っていた。危険な目に会わないように、お母さんは男の子のことをずっと見守っていた。

(お母さんはいつも君のことを見守っていてくれるから大丈夫。
 君もきっと上手に滑ることができるようになるから大丈夫。)

「大丈夫だよ、がんばって。」

結局、その後親子と会うことはなかった。娘とスキー場で楽しんだあの頃に思いを馳せ、そして来シーズンの積雪に期待をしながら、この日が私の今シーズンの滑り納めとなった。

(数年前に撮ったIOX-AROSAのナイターの風景)

IOX-AROSAは3月14日が2020-21シーズンのFinal Dayとなりました。今シーズンも楽しいランをありがとうございました。

もう春はそこまで来ている。緑におおわれた山々、青々とした香り、土の匂いに心癒されるIOX-AROSAのグリーンシーズンを、三郎とともに心待ちにしています♫

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