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12話

マネに別れを告げた・・・

マネは泣き「また付き合ってほしい」と言ったが、彼は理由をキチンと説明し、2人は選手とマネージャーに戻った。

そして、彼の水泳部としての最後の試合が始まる・・・

苦しい練習を乗り超えて来た。
指を骨折しても、ビート板キックで泳がされた顧問への怒り。
冬の寒い中、ビニールハウスみたいな名ばかりのオンボロ室内プールで寒さに震えながら泳ぎまくった。

そして、試合が終わった。
結局は・・・

ダメだった。
あと1歩のところで・・・

彼は悔しい・・・ではなく、むしろ、充実感に満ちあふれた気持ちでいた。

全力で闘うって、こんなにも心が喜ぶものなのか!
こんな感動は、人生で初めてだ!

ああ、そうか。
俺がセンパイへの想いに縛られているのは『全力を出せていなかったから』だ。

試合が終わり、1週間が経つ。

2限と3限の間の休み時間。

突然!
「おーい!」と、教室の扉をガラッ!と開け、副顧問が入ってくる。

センセー、どしたんすか?

「おまえ!県大会が決まったぞ!」

え?

県大会出場予定の選手が、ケガで辞退をして、彼は繰り上がりで、県大会へ出場することになった。

・・・センパイ、俺が県大会まで行ったら、チューしてくれるんでしょ?

「え?そんなこと言ったっけ?まあ、いいよ」・・・


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