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18話

自動車教習所には、いろいろな人がいた。

自分のような表向き浪人生、周りと違う道を選んだ人、人生を立ち止まっている人、おじさんおばさん・・・

2人ほど友達ができた。
なんか、セカイが広がった気がする。
俺は、この選択が間違っていないと思った。

少しだけオトナになった気分。
センパイもこんな気持ちで、通っていたのかな。

よし、決めた。
免許取ったら、センパイに会いに行こ。

俺は、もう逃げない。
これまでの気持ちを伝えよう。
負け試合でも構わない。
すべて終わらせる。
俺は、未来へ進むんだ。

彼は自動車免許を、最短の20日間で取得。

センパイの電話番号は知らない。
あのとき、勇気を出して聞いておけば良か・・・いや、違う!
俺は、すぐにこうやってダメな過去を振り返る。
今、俺がすべきことは、勇気を出してセンパイに会いに行くことだ。

元部長には聞かない。
自分1人の力でやらなきゃ、自分を強くすることはできない!

彼は母校の図書室へ行き、卒業アルバムからセンパイの住所を調べた。

コレって、最近流行ってるストーカー?
逮捕されねぇかな・・・まあいいや。

その当時、カーナビは普及していなかったので、彼は地図を買い、母親から車(カローラⅡ)をかりて、リハーサルで実際に行ってみた。

センパイの家まで車で45分。
センパイはこんな遠くから、高校まで通っていたのか。

そして、とある5月の日曜。
彼はセンパイの家へ向かう。

センパイがその日、家に居るかどうかは知らん。
細かいことを考える余裕がない。
ただ、直進するのみ。

俺は、この闘いに決着をつけるぞクソヤロウ!


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