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2位について考える

  
多くのスポーツ競技のトーナメント戦では、勝って終えられるメダリストは1位と3位である。

2位は3位より上なのに、負けて終わるから3位より浮かない顔をしている。もういっぺん2位と3位で戦ってみるという手はあるが、それじゃ余計に不公平だ。表彰式では1位だけが注目され、2位と3位の表彰台の高さが違うことなどどうでもよくなっている。世界はもっと2位を思いやったほうがよいのではないか。そこでいくつかのアイディアである。


■1位と2位の表彰台を極端に高くする

表彰台の規格を大幅に変更。1位台は20m、2位台は19.75m、3位台は0.3mとし、ステータスを物理的に表現する。ただし登るときに事故が起きると、3位だけ表彰台に立つ状況となる。


■3位の背中を表彰台代わりにする

3位は正座をし、背中が平坦になる角度まで上半身を倒す。その上に1位と2位が乗っかって表彰式を行う。ただし体勢を崩すと、立っているメダリストが1人もいない状況となる。


■3位のどこがいけなかったかを論評する

2位ではなく3位だという事実を本人および観衆に改めて知らしめるため、2位の口から思いつく限り「今大会で3位のいけなかったところ」を列挙する時間を表彰式内に設ける。


■3位だけは下から順位を数える

NHK朝の連続テレビ小説の視聴率が芳しくないと、よく報道で「歴代ワースト4位の視聴率」といった言いまわしが用いられる。それと同様に、出場組が100組であれば3位は「今大会ワースト98位」として表彰台に立たせる。


■銅メダルを投げつける

首にかけてあげると見せかけて、バーン。


■銅メダルにへんな味がする

マスメディアの要望に応じて、メダリストがメダルをかじるポーズをとることがよくあるが。この瞬間を見越して、銅メダルだけは3位の想像を絶する味を仕込んでおく。もがき苦しんでいるところを、さらにバーン。


■2位になりたかったなーと3位に言わせる

これがいちばんシンプルである。通常、3位に今後の抱負をきくと「1位になりたい」話しかでてこないが(当たり前か)原則として次の大会まで「2位になりたくて仕方がない」感じを表現させる。
  

   
気がつけば「だったら4位のほうがよかった」っていう話になっている。
  

おしまい
   

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