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#霞ヶ関

霞ヶ関な人たち はじめます。

霞ヶ関な人たち はじめます。

2020 新年明けましておめでとうございます。

今日からゆるっと霞ヶ関の不思議でゆかいな日常を語っていきたいと思います。

かんたんな自己紹介とここでやりたいこと。

精神科医として10年ほど働いていましたが、ご縁があって30代半ばから霞ヶ関の公務員、いわゆる官僚として働くことになりました。1〜2年位のつもりが、中の人になって初めて見えてくるこの不思議な毎日と、興味深い人達を観察するのが楽しくて

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【映画評】霞ヶ関の中の人から見たシン・ゴジラのリアリティ

【映画評】霞ヶ関の中の人から見たシン・ゴジラのリアリティ

霞ヶ関の中を知るいい教本として学生によくおススメするのが、映画「シン・ゴジ ラ」。今回、このブログを書く為に多分 5~6 回目の鑑賞をしましたが、見るたびに新しいメッセージを発見する、何度でも噛みしめられるいい映画だなあと思う。グダグダな面も描かれるけれど、最後は役人や政治家としての矜持、覚悟が描かれていて日本も捨てたもんじゃないなと思わせてくれる。

最初のブログのネタとして、シン・ゴジラの映画

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【霞ヶ関の人の生態❺】官僚たるもの出世は本懐なの?ほんとに終身雇用なの?

【霞ヶ関の人の生態❺】官僚たるもの出世は本懐なの?ほんとに終身雇用なの?

みなさん、公務員は安定の終身雇用だと思ってませんか?
トントン拍子に年を取っていくほど出世していくと思ってませんか?

公務員は安定してるし、楽そうで、定時で帰れるしいいよな~ということを言われる人は結構いますが、たぶんそれは身近に接している公務員、つまり市役所の窓口だったり、公共施設で見かける公務員、つまり地方公務員の仕事の一部だけを見てそう思うのだと思います。

霞ヶ関の公務員は、住民への対面

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【霞ヶ関の人の生態⑩】思わず惚れてまうやろ!と思った霞が関の人のセリフ

【霞ヶ関の人の生態⑩】思わず惚れてまうやろ!と思った霞が関の人のセリフ

相変わらずドラマ「空飛ぶ広報室」にはまり中です。ドラマはコンプリートしたので、次は小説を今週末読む予定です。ドラマの中でも柴田恭兵演じる航空自衛隊広報室の鷺坂さんという室長、仕事への姿勢も部下への暖かいまなざしも超絶カッコいいです!こういう人によって、自分の人生が変わるんだろうな、と思います。私も、出向で霞が関に来て2つ目に配属された課が本当にやりがいもあって、職場の同僚も尊敬する人が多くて、正式

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【霞ヶ関の人の生態⑭】意外とダイバーシティ。チームで仕事をするということ

【霞ヶ関の人の生態⑭】意外とダイバーシティ。チームで仕事をするということ

新しい課に異動して約1か月。
怒涛の日々が続き、毎日脳のCPUがフル回転で、毎日夕方になると酸欠でグッタリです。
その理由の一つは、新しい課の知識のインプットをなる早でやりつつ、同時にアウトプットもやりつつ、同じ課の人の経験や興味、能力を見極めつつ、仕事を配分してチームとして機能させる、ということを同時並行にしないといけないからです。
いや~みんなよくこんなマルチタスクをやっているな…と中途入省の

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【霞ヶ関の人の生態⑮】政策ってどうやって作られてんの?未来についてみんなで語ろう。(その1)

【霞ヶ関の人の生態⑮】政策ってどうやって作られてんの?未来についてみんなで語ろう。(その1)

ふだんニュース見ていると、色んな政策が発表されますよね。
特にコロナになってから、
「マスク2枚!」とか「Go to ○○」とか、思わず「は???」と思う政策もあると思います。
霞の中に入って知ったのは、政策には色々なプロセスで作られていて、え~~マジで!と思うことが、あっという間に決まったり、霞の人がこれは本当に思いが詰まっていてぜひ叶えたい!と思うことが、なかなか進まなかったり、決まっていたこ

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【霞ヶ関の人の生態⑯】政策ってどうやって作られてんの?未来についてみんなで語ろう。(その2)

【霞ヶ関の人の生態⑯】政策ってどうやって作られてんの?未来についてみんなで語ろう。(その2)

前回は、ボトムアップのじっくり育てる政策の作られ方をご紹介しましたが、今回は ザ・トップダウン!方式の政策の作られ方をお話したいと思います!

実は、、、最近そのザ・トップダウン!をいきなり直撃してしまいました。
毎日が救急医療の現場のようになってしまい、かーなーりーやられています。
ただ、このブログでは政策の具体的な内容はお話しないことにしているので(守秘義務がありますからね…)、霞が関の人がこ

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【霞ヶ関の人の生態⑰】霞が関の人キャラ濃い問題

【霞ヶ関の人の生態⑰】霞が関の人キャラ濃い問題

「官僚」ってどんなイメージですか?
私がこの業界に入る前に想像していたのは、冴えない猫背の7-3分けの髪型の眼鏡をかけた生気のないオジサンでした。ザ・没個性。国会の時に後ろで無表情に座ってるところから感じたのかなあ。事なかれ主義の保守的、現状維持こそすべて、みたいなイメージでした。

ドラマでは、よく赤坂あたりの料亭で政治家と密談して
「先生よろしくお願いします」
「おぬしも悪よのう…」
「フォッ

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【霞ヶ関の人の生態⑱】ステキなオフィスでテンション上げていきたいよ問題

【霞ヶ関の人の生態⑱】ステキなオフィスでテンション上げていきたいよ問題

霞が関は色んな省庁がひしめき合っています。よくテレビで外観は映ると思いますが、どんなオフィスで働いているか見たことのある人は少ないのでは?

一度、職場の中で写真を撮ろうとしたら、警備員の人に撮影禁止です、と言われたので、結構厳しく管理されているようです。

うちの職場は、いま完全に3蜜です…
ただでさえ人と書類に溢れた昔からのオフィスだったのですが、コロナ対策で会議室やオフィスがいくつもコロナ対

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【霞ヶ関の人の生態⑳】官僚たるものマイナンバーカードは全員もってるんですわ!?

【霞ヶ関の人の生態⑳】官僚たるものマイナンバーカードは全員もってるんですわ!?

マイナンバ―カードって2020年7月で17%くらいの所持率なんだそうですね。
もっと広めなければとマイナポイントも導入して頑張っているようですが、伸びてきたんでしょうかね?

霞が関の人は、なんとマイナンバーカードは全員持ってます!(これ多分断言できる)。
さすが公務員の鏡!??そのからくりは…
自分の職場に入るための入館ゲートがマイナンバーカードで入る仕組みなんです…
マイナンバーカードの中のチ

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あいつ霞が関辞めるってよ

あいつ霞が関辞めるってよ

4月になりました。今年も多くの人が霞が関を去っていったようです。

コロナになって、就職したばかりでロクな研修もなくコロナ対策に放り込まれ、うろたえ、疲弊して辞めていった人の話を聞くとせつなくなります。

そして就職希望者は年々減少中。

コロナ前から減ってきてましたが、コロナになって益々減ってきているらしいですね。

辞める理由は前向きな理由、後ろ向きな理由、色々あるようだけど、最近、私も この

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【霞が関の日常】最高のセキュリティ、警備員さん

【霞が関の日常】最高のセキュリティ、警備員さん

霞が関の建物は、割とセキュリティが厳しくて大抵門前に警備員さんたちがおられます。

昔むかしの霞が関では、セキュリティも全くなく、誰でも入れる建物だったらしいです。それこそ、色んな人が建物に入ってくるということで、防犯上危険な目に合うこともあったそうです。そしていつのころからか、セキュリティが厳しくなり、警備員さんが配置されるようになったそうです。

この警備員さん方、建物に入るときに職員証をかけ

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マツコとDJ松永の涙と一緒に泣いた話

マツコとDJ松永の涙と一緒に泣いた話

マツコ会議 Creepy Nuts回が話題です。

マツコとDJ松永があるテーマで絶望と希望で号泣する神回で、全く違う世界に住む自分なのに、共感することが多すぎて私も涙が出てきました。

番組の中で、二人が感じていたのはテレビという公の場で発言する苦悩についてで、どこが一緒だ・・・と思ったかというと、「表現の自由」について。

以下、番組のやりとりの抜粋です。

R-指定の「出た時点で全部気をつけ

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【書評①】お役所の掟-ぶっとび霞が関事情(その①)

【書評①】お役所の掟-ぶっとび霞が関事情(その①)

今から約30年前の1995年、霞が関の人の日常を描いて、ベストセラーになった本があります。その本は日本の不思議なムラ社会を描いていると海外でも話題になり、英語、フランス語、ドイツ語にも翻訳されました。本の名前は「お役所の掟ーぶっ飛び霞が関事情」。

そして、この本の作者の名前は、宮本政於さん。厚生労働省の現役の医系技官だった方です。

この方の人生は、短く、そして波乱万丈でした。

1948年に生

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