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本にカバーはお掛けしますか?

実店舗で本を購入すると、必ずカバーを掛けてもらう。ちょっとした待ち時間などにも読みたくて、外に持ち出すことが多いのでカバーを掛けたい。

他の人に何を読んでいるのか知られることが嫌なのだ。
見られて恥ずかしいものを読む訳ではないのだけれど、なんだか心の中を見られるような気がする。

メルカリなどで次の人に回すとしても、少しでも表紙が綺麗で新品に近いほうが喜ばれると思う。
ネットや買取の店舗で探す時…自分が購入する側に立つ場合も、少しでも新品に近い、状態の良いものを求めていた。

しかし、先日訪れた古書店で様々な本を手にした時、例えば料理のレシピ本は調理中に開いていたであろう調味料のシミなんかがあったりして、長い間何度も開いた本なんだろうかと前の持ち主に思いを馳せる。
汚れや古さもその本を使い込んだ味になっていて、価値を感じた。

自分の本を見渡すと、古いものは小学生の時に読んでいたものがある。
引越しや結婚などを経て、ずっと開いてはいないけれど、手元に置いておきたい大切な本。繰り返し読んでいて大好きだったから。

四十数年経ってしまったから、劣化が激しく、紙も茶色くなったり随分傷んでしまった。
久しぶりにその本を手に取って少し残念に思ったが、古書店へ行ったことによってこの本の価値が見出せた気がする。

ここ数年で積読本が増え、読みたい本が次々に現れるから、明らかに大好きな同じ本を繰り返し読む、熟読するということが少なくなった。

読むスピードがゆっくりなので、もっと早く読めたらいいのに。
このスピードはなかなか縮まらない。

頑なに掛けてある本屋さんのカバーを外して、大好きな本を繰り返し読んで、その本を「育て」たくなった。

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