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551蓬莱は人の心を乱す

551蓬莱

この名前を聞いただけで、私は自動的におなかを空かせることができる。
今、まさに空いてきている。551、恐ろしい。
551といえば、豚まん。
大変美味しく、ホッカホカのフッカフカだ。
エビ焼売、焼き餃子、甘酢肉団子、ちまき、夏場はアイスキャンデー。
温かいものから冷たいものまで、551の食の征服は止まらない。
しかし、私は断然、肉焼売だ。
関西にお住まいの方には信じられないかもしれないが、
東京近県のデパートで551が実演販売しようものなら
それはそれはすごい大行列ができるんですよ!
2020年の京王デパートの駅弁大会に、551が実演販売に来た時には
8階の催物会場から、階段をつたって、3階まで列が伸びていた。
私も40分並んで買いましたよ。肉焼売50個。
一度あの価格であの味を知ってしまったら、並ばずにはいられない。

551蓬莱との最初の出会いは、近鉄百貨店橿原店である。
私は、奈良が好きで、以前よく観光に出掛けていた。
明日香村や室生あたりの観光がしやすいので、
いつも大和八木周辺で宿をとる。
夕飯は、好きなものを買い、宿でお酒とともに食べるのが楽しみだった。
そこで、近鉄橿原店さんに、よくお世話になっていたのだ。
7月に奈良に行った時はべらぼうに暑く、
551のアイスキャンデーを食べると本当に生き返るようだった。

奈良滞在中は、悔いが残らぬよう、
できるだけ551を食べるようにしている。
しかし、東京に帰る途中の京都駅で、
これから新幹線の改札を通ろうというのに、551の匂いが、
ぷぅーーーーーーーーーーん
と、匂ってくるのだから、これはたまらない。

そんなに好きなら買って帰れば?

と思われるかもしれないが、あの匂い、なかなか威力がある。
人の心を乱す。
乱された方はたまったものじゃない。
だから買って帰るのを躊躇してしまう。
新幹線車内なら、あぁ、551か……で済むかもしれないが、
東京に到着して、自宅までの道すがら、あの匂いを漂わせるのは危険だ。551を知る者にとっては
「551か! お前551買ったのか! どこだっ! どこで買ったんだ!」
と心を乱しながら、匂いの発生源を探す事となり、
551を知らぬ者は、
「何だ! 何だこの匂いは!」
と、やはり、551を知る者同様に、心乱されることとなる。
車内のマクドナルドの匂いは、全国共通だが、
車内の551の匂いは全国共通ではない。
関西に縁のない者にとっては、謎の、ただひたすら旨そうな惣菜の匂いとなってしまう。
これは全国展開を拒む551が悪いのだ。
そこは強く断言しておきたい。

どうせ、あれでしょう? 関西の人が、

「あかんあかん! 551は関西のモンや! 東京なんかに店舗なんて出したらあかんでぇ!」

って、意地悪してるんでしょう?(ねたみ)
いいじゃない、そんな意地悪しなくてもさ。(ひがみ)
いじけてやる!(そねみ)

「551、通販やっとるで」

え?

私は今、551のホームページを見て、指をくわえている。
輝く肉焼売の画像を見ながら、
罪なき関西の人に向けて悪態をついたことを反省しつつ、
やはり、551は人の心を乱すのだと、その恐ろしさに震えている。


※551蓬莱はこちらでも話題にしています。


お読み頂き、本当に有難うございました!