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ベーグル考。

『B&B』という文字並びを見て、
一番はじめに思いつくのは、
なんだろう。

Bed & Breakfast ☞ 欧州旅好き
Book & Bed ☞ お洒落大好き
Book & Beer ☞ 下北住まい
島田洋七 & 紳助 ☞ とある世代

みたいな印象があるが、

わたし自身は、

BAGEL & BAGEL ☞ 食いしん坊万歳

なのである。


そのBAGEL & BAGELのベーグルを
ブランチにむしゃむしゃしながら、
ベーグルについて考えたことを記録しておこうと思う。


ベーグルにはいくつか思い出がある。

アメリカ西海岸の何処かのホテルの朝食で、
コンベアートースターがビュッフェの片隅に置いてあった。

コンベアートースターとは、これ↓

このトースターは、
パンを網の上に乗せると、
コンベアーのように網が動き、
パンを熱源の下に運ぶ。
トーストが完成したら
手前側に滑り出てくるのだ。

このトースターの横に、
いろんな種類のパンがいっぱい並んでいた。

クロワッサンや、ペイストリー、ブリオッシュ、トースト用の食パン。
そして、トースターのすぐそばには
丸くてつやっとしたベーグルがあった。

わたしは、
「大好きなベーグルをトーストしてから、
クリームチーズとスモークサーモンのマリネをいっしょに挟んで食べよう。
あ、あそこにケッパーもちゃんとあるわー、最後に散らそう。」
などと夢想して、
そのまんまるもっちりとしたベーグルを
トースターの網の上に乗せたのだった。

そう。

そのまま、
乗せたのだ。

外はカリッと中はふわもちっとしたベーグルサンドのことを
ぼぅっと想像しながら、
そのトースターの前で焼き上がるのを待っていると、
なにやら焦げた匂いが広がりはじめた

そして、
わたしの恋い焦がれているベーグルちゃんは
なかなか滑り落ちてこない。

ビュッフェのおかずの乗った大きな丸皿を片手に
眠い頭でぼやっとしていたわたしはようやく
ハッとした。

「ベーグル!!詰まってる!!」

パンのトングで詰まったベーグルを懸命につついたが、埒があかない。

焦げた匂いがどんどん広がり、
『ベーグルが燃え上がっちゃったらどーしよー!』と焦りが増す中、
アジア人女子がトングでトースターとなにやら格闘しているな?と思ったのか、
欧米系のお腹の出たすてきなおじいさま2人が
にこにこしながら、
「スタックしてるなー」
と言って、
ほとんど人気の無い早朝のビュッフェで、
奥に引っ込んでいたスタッフの
金髪美人な女の子を連れてきてくれた。

金髪美人ちゃんは笑いながら、
トングで詰まっていたベーグルを
ものすごい勢いで引っ張り出して、
わたしに見せた。

おじいさんたちの拍手。

恥ずかしくて、めっちゃ謝るアジア人。
わたし。

「スライスして、入れなきゃ!」
とおじいさまたちに
アドバイスされたわたしは、
それ以来、
トースターにベーグルを入れるときは
必ず2つに割ってます。

みんな!

コンベアートースターの隙間に
ベーグルの厚みは無いよ!
引っかかるよ!
焦げたら、即電源を切ろう!

それにしても、
あんなに真っ黒なベーグルを見た事は
後にも先にもあの時しかない。

そして、
真っ黒なベーグルには悲しみしかない。


もう一つのベーグルの思い出は、
ちょっとだけ後悔している事。

何度か泊まった事のあるニューヨークのホテルの近くに、
有名なベーグル屋さんがあった。

最後にニューヨークを訪れ、
帰ることになった時、
(それが最後になるとは思っていなかった。)
一緒に行った人と何の買い物をしたかを
ホテルのロビーで話した。

彼女は、
「日本に帰ってからも、
家族と一緒に
どーしてもこのベーグルを食べたくて、
スーツケースの片面いっぱい
ベーグルを買っちゃった!
型崩れしないように
めちゃくちゃしっかりパッキングしたよ。」
と嬉しそうに言っていた。

64Lスーツケースの片面にみっちり、
隙間なく詰められた
色とりどりの
もっちりベーグルの画が、
頭に浮かんで、
今でも忘れられない。

実際に見たわけでもないのに、
忘れられないのだ。

同じ形なのに、
ドーナツではなく、
ベーグルなところがいいな、と思った。

しっかりとしたスーツケースの中には、
どっしりとしたベーグルが並ぶのが似合う、と
なんとなく思ったのだ。

それにしても、
いつか行こうと思っていたのだが、
結局行かないで終わってしまったな、
あのベーグル屋さん。

どうもそこで学んでから帰国して、
日本でベーグル屋さんを開いた日本人女性がいるらしいけど、
それがどこかはまだ調べたことがない。

これを機会に後で調べてみようかしら。

あら、わかったわ、ここだわ。


地方にあるベーグル屋さんの思い出もある。

高知県で仕事をした時に、
ベーグルを食べていた時期があったのだった。
カツオを夜に食べるのではなく、
ベーグルを食べていた。。。

ここのベーグルをいただけるカフェによく行っていたのだが、
今、お店を見つけられなかった。
カフェは撤退したのかもしれない。
付け合わせのフライドポテトもシャクシャクしていて、
最高に好きだったのだけど、
もう行っても食べられないのかな。
一時期お台場にもできた気がしたのだけど、
今はもうないのかしら。


ヴィーナスフォートにあったんだわ、やはり、閉店していた。。。


ベーグルはおしゃれな食べ物という感覚が日本にはあるけど、
真におしゃれを極めたいと思っているストイックな人たちは
食べないのかもしれないな、と思っている。

実は結構カロリーが高いし(具を挟むのが前提なわたしなので)、
何より、
プラダを着た悪魔』の面接前のシーンで、
「誰かオニオンベーグルを食べた?」って咎められてるシーンがあるし。
(あれは、臭いに対して言っているのかもしれないけれど、
おしゃれな人とそうじゃない人の対比的な食事として
描かれてもいるから。)


日本人がベーグルをおしゃれな食べ物として認識している
このおかしな感覚のことを
絶妙に歌っているこの歌を
是非いろんな人に聴いてほしい。


ベーグルのことを思うと、
いつも一番初めに浮かぶのは、
実はこの漫画だということも書いておこう。

この近藤聡乃さんの漫画に出てくるベーグル屋さんを見た時、
先に出てきたニューヨークのホテルロビーのことを思い出したことを
今思い出した。
繰り返しみたいな不思議な気持ちになるのは、
ベーグルの丸さが連れてくるのだろうか。。。
という真夜中のテンション。

この漫画の話に出てくるニューヨークのベーグル屋さんは
わたしの行こうと思っていたベーグル屋さんではないのだが、
美味しそうな感じと、
水嶋ヒロ似のエジプト出身店員さんのことが
強く印象に残っていて、
細かいところまでは思い出せなかったので、
さっき本棚から取り出して、
読み返して見たら、
なんと題名が『ベーグル考』であった。。。
その一からその三まである。。。

真似したわけじゃないのよ。。。
(ダメだわ、もはや言い訳にしか聞こえないな。。。)





しろくまʕ ・ω・ )はなまめとわし(*´ω`*)ヨシコンヌがお伝えしたい「かわいい」「おいしい」「たのしい」「愛しい」「すごい」ものについて、書いています。読んでくださってありがとうございます!