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第24話 二度と聞けない声
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いつものように中ちゃんからの電話で、血の繋がっている父親が死んで、借金が残っていて人に言えない事をして返済したと言ってくれました。
中ちゃんの父親は、いわゆる“ カタギの人では無い人”でした。
だから、自分の人生なんてどうでもいいという笑い方をしてたんだ。。私がどうにかできる問題じゃなかった。。
中ちゃんは返済が済めば、ちゃんと普通に稼いで道を外すことなく、生きていました。ただ、稼いだお金で、パーッと遊んでストレス発散をしていた様です。
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ある日の夜、母親が癌になり闘病中だと連絡が来ました。
「血の繋がってる、たった1人の人だよ!」と一生懸命に母親を支えていたのです。
私は少しでも薬を使う量を減らして治るように出来ないか?と調べました。腸内環境を良くするといいのがわかり、彼に伝えたりしてました。
何とか彼の母親は、癌に負けずに退院出来ました。ですが、2000万の借金をしたのです。助ける為とはいえ大変な金額です。中ちゃんは自動車整備の仕事をしたり、大型トラックの免許を取得し少しずつ、頑張って返済していました。
ですが大型トラックの運転手の生活は、心身症の中ちゃんには相応しくないと、私は心の奥で心配していました。孤独との戦い方をしっかり出来る人なら、こんな心配はしません。しかも中ちゃんは、パーッとお金を使ってストレス発散するタイプ。心配は的中してしまうのです。
中ちゃんの周りの女の子が、返さなくていいと100万円くれたと、話してくれたことがありました。
その時の中ちゃんの心は、うつ病だったと思います。自死してしまう1ヶ月前でした。
連絡は中ちゃんの同級生から来ました。
「中ちゃん、死んだよ。華ちゃん、付き合ってたよね?お通夜行く?場所教えるよ?」
私は場所を聞き、とにかく透析には行かねばならず、透析室に入るなり看護師に言いました。
「友達が自殺した。お通夜に行きたい。透析どうしても受けなきゃ駄目?!」
その看護師さんは瞬間的に固まりましたが、直ぐに主任看護師に話し、週始めだからどうしても医学的に2時間だけは透析して欲しいと言われ、私は最低4時間の透析を2時間だけ受けて、お通夜に行ったのです。
行くと祭壇には、彼の免許証かなにかの写真がありました。棺の扉を了解をえて開けました。
彼の首には白いガーゼが付けてあり、首を吊った痕を隠してありました。第1発見者は、母親でした。
いつか、笑い話のついでに話した事がありました。先に死んだら棺桶蹴っ飛ばす!と。そんな事できるはずもありませんでした。
もう、声を聞けることが出来なくなりました。
私が一人暮らし出来てたら、もっと行動を起こせていたら。。
心にどうにも出来ない大きな穴が空きました。。
もっと他の人に、心配が的中しないように対策出来たらよかったのにね。
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